数年ほど前、一部の業界が大騒ぎとなりました。かのマイクロソフト社を創設したビル・ゲイツ氏が、あの軽井沢に別荘を建設中!! という話題でです。コトの真相は不明ですが、ゲイツ氏は親日家と言われていますから、ありうる話です。ちなみにゲイツ氏の自宅はというと、その敷地面積はパリ市よりも遥かに広く、わが恵那市でいうと、その約28%にあたります。恵那市の4分の1以上が自宅の敷地、さすが世界一の大富豪はスケールが違います。
さてそんな雲の上の世界の話は別として、日本には25万戸を超える別荘があります。岐阜県は6千戸で和歌山県と並んで47都道府県の中で10位、1位はもちろん長野県で4万7500戸と圧倒的なストックがあります。気象条件などあまり変わらないのですが、東京へより近いという地理的要因、そして何よりもブランドイメージの差というのは非常に大きいですね。
そんな別荘ですが、以前は購入が前提でした。土地も建物も自分のものだったわけですが、最近は土地の値上がりが期待できるわけでもなく、子世帯・孫世帯に負の遺産を残しかねない可能性もあるので、そうした需要は薄れているようです。
代わりに会員制リゾートの利用権だったり、あるいは仲間内で共同保有したり、とそれぞれの考え方に合った保有スタイルが主流になってきています。空き家は3ヵ月で傷み始めると言いますから、別荘は維持管理に特に気を遣わないといけません。より多くの人間が携わるのはとても良いことですね。
恵那市内にも別荘地が点在しています。その多くはバブル期の別荘分譲地なのですが、空き家バンクへの登録も散見されるようになり、所有者の高齢化と維持管理負担の大きさが進行していることをうかがわせます。最近ではこうした別荘を外国人向けのゲストハウスとして貸し出すために購入している団体がみられるようになりました。時代の流れを感じずにはいられません。もしも外国人の方で恵那市の別荘に宿泊される方がいたら、是非満天の星空を楽しんでいただきたいと思います。