「目は心の窓」と言います。窓を通じて家の中を垣間見ることが出来るように、普通は見ることのできない心の中が目を通じて「見える」のでしょうね。
もっとも、家における窓の目的というのは単に視覚的なものだけにはとどまりません。採光や通風といった目的もあります。また少々お行儀が悪いかもしれませんが、室内と外部を結ぶ通路の役割も補助的に担っています。防犯や断熱、さらには遮音や耐震性という観点からすれば、窓は最小限にしたいところですが、本来の目的からするとやっぱり広くとりたい方が多いと思います。
さて日本ではそもそも現代的な窓の文化はありませんでした。障子越しの採光、そしてその開閉による通気が基本です。高温多湿な日本ならではと言えますし、何より犯罪の恐れが極めて低かったことがそれを成立させていました。弱点は雨ですが、深い庇や縁側、そして必要に応じて雨戸を用いることで凌いでいたのです。ゲリラ豪雨が日常となった現代では雨戸の準備が間に合いそうもないので、これも古き良き時代のお話でしょう。
最近は高性能な窓がどんどん登場しています。新築住宅の見積もりを見るとと、本体工事費(外部工事・・・屋外給排水工事は除く)の10%程度が窓に関する材料費や工事費になっています。結構大きいですね。また窓の水平方向、垂直方向のラインが揃っていると家の外観がとても綺麗に見えます。窓は家の顔とまでは言いませんが、それに近いものです。軽視しない方がいいでしょうね。