秋分の日から約3週間、日毎に日が短くなるのを実感します。少しずつ山の景色も緑以外の色が目立つようになってきました。
秋は空気が澄んでいるせいか月が美しく見える一方で、星座の世界では「谷間の世代」になってしまいます。(日本の話です。)星空の寂しさも秋の夜長の風情の一面なのですが、とはいうものの北極星のあるこぐま座なんかは当然のように見ることが出来ます。
その北極星、実はとても長いサイクルで入れ替わっています。今の北極星は歴代の中でも比較的立派な星の方なので、我々は結構ラッキーなわけです。
入れ替わりのサイクルは数千年単位のため、存命中に北極星の代替わりを見ることは残念ながら出来ませんが、未来の北極星の顔ぶれに、ベガ(こと座)、デネブ(はくちょう座)という名前を見つけると、少し悔しい気持ちになりますが、1万年後の話なので諦めもつきます。
ちなみに次の北極星はケフェウス座のγ(ガンマ)星。三等星なので、今よりも少し格落ちになります。(今の北極星は二等星です。もっとも天文観測で船旅をする時代でもないので、視認のしやすさが問題にはならないと思いますが。)
ちなみに北極星のことを中国では北辰と呼んでいました。辰=龍で、皇帝の象徴でもあります。5千年近く前にはりゅう座のα星が先々代の北極星を務めていました。不思議な縁を感じますね。