「遠距離介護」、親世帯と子世帯の分離化が進んだ日本では、この問題が少しずつ広がっています。この地域はまだ三世帯同居の比率が高いですが、子世帯が首都圏等に居住しているお話は結構あります。(中には海外というケースも。)

となると交通費の経済的な負担と移動に伴う肉体的な負担は介護する側にとって大きな悩み。これに「離れて暮らしている」こと特有の精神的負担が拍車をかけます。親世帯を自分の目の届くところへと(半ば強制的に)移住させる子世帯がある理由も、よく分かります。ただ都心部への移住は家賃等の経済的負担がかえって増すこともありますし、未知の環境に慣れる苦労もありますから、それはそれで大変なので、分かっていても踏み切れないケースも多いでしょうね。

そんな「遠距離介護」問題の経済的負担を軽くできるのが、国内の航空会社が設けている「介護割引」あるいは「介護帰省割引」制度。飛行機での移動が最も合理的なケース、たとえばこの地域なら、要介護者=恵那市居住、介護する親族=北海道に居住、といった条件ならこれを使う価値はあるでしょう。(要介護者と介護者の居住地が逆のパターンも)ちなみにマイレージもちゃんと溜まります。

なおその他の公共交通機関、具体的には新幹線を代表とする鉄道、船舶、高速バス等では「遠距離介護」という大義名分による割引制度は今のところないようなので、回数券その他のおトクな制度を賢く使うことになります。(ただし、JRを例にとると、障害者認定を受けている場合、①本人のみが乗車する場合、②本人と介護者が一緒に乗車、についての割引制度はあります。)

最後に高速道路に代表される有料道路についてもご紹介しておきましょう。こちらも「遠距離介護」という理由での割引はありませんが、「障がい者割引制度」はあります。こちらは使用する車両の事前登録で料金が半額!になります。もちろん障害者自身が運転する必要はありません。登録した車両に同乗していれば、それでOK!(ただし所定の条件を満たす必要があります。)

障害者認定と要介護認定は別物なので注意が必要ですが、地方都市に住んでいると診察の為に高速道路を利用して都心部の大きな病院に診察を受けに行くことも結構多いのではないでしょうか。自分たちの条件に合った交通機関を利用して、少しでも負担を軽くしてください。