年末年始は家族が一堂に会する時です。たとえお年玉目当てであっても、孫の元気な顔を見て、自分も元気をもらう高齢者の方も多いことでしょう。

さて、ここで面白いデータをご紹介しましょう。30~40代の子育て世帯では約2割が「三世代同居を理想の住まい方」と考えているのだそうです。これは平成25年に行われた「家族と地域における子育てに関する意識調査」の結果で、さらにこの調査によると、祖父母世帯による「育児や家事の手伝い」を希望する割合は約8割!でした。理想は理想であって、現実とのギャップはありますが、核家族が子世帯にとって負担の大きい暮らし方であり、大きな不満を持っていることがよくわかりますね。

そこで、というわけでもないのでしょうが、今年度より三世代同居リフォーム支援税制が始まりました。具体的には、

  1. キッチン
  2. 浴室
  3. トイレ
  4. 玄関

この4か所について、リフォーム後は2ヶ所以上が複数になることが原則とされています。例えば、リフォーム前は全て1ヵ所ずつだった場合、トイレのみを2つに増設しても適用にはなりません。それ以外の3ヵ所のどれか1つが、最低でも2つ以上になるようにリフォームする必要があります。またリフォーム前にトイレが2つあった場合は、残りの3ヵ所のどれか1つを増設すればOK! なお増設が条件なので、リフォーム前からキッチンとトイレが2ヵ所ある場合、その部分のリフォーム費用は対象となりません。

この工事は他のリフォーム減税同様に、①全額自己資金、②借入、いずれの場合も適用の対象となります。ちなみに上限は工事費の250万円の部分まで。全額自己資金の場合は、その年の所得税が最大で25万円、借入の場合は5年間の合計で最大62万5千円が還付されます。

是非検討したいのは、2階に水回りがある家。年を取って2階よりも1階で過ごすことが多くなることを考えれば、お風呂やキッチンを今のうちに増設を。敷地に余裕のある平家の増改築でも検討したいですね。

では1階に水回りがあって、2階にもトイレがある一般的な家では関係ないかというと、そうでもありません。2階に玄関・キッチン・お風呂をそれぞれ増設すれば、将来住み替えしたときに、1階と2階それぞれを独立した居室として賃貸することが可能です。

なおリフォーム完了後に子世帯との同居を証明する書類を提出する必要はありません。「将来の同居に備えて」ということでOKです。

最後になりましたが、皆さん良いお年をお迎えください。