ご存知の方も多いと思いますが、家庭内の事故でお亡くなりになる方の方が交通事故で亡くなる方よりも多いです。廊下、階段、浴室での転倒には充分注意しなければなりませんね。

背景には車の安全性が向上したこと、そしてシートベルトの着用等による死亡事故の減少の一方で、高齢化による人口構成の変化も見逃せません。年を取れば車を運転する人は減りますし、家庭内での事故率が上昇し、さらに死亡率も上昇します。

ということで、高齢者は自動車事故以上に家庭内事故に備えなければいけません。それは保険も同様で、傷害保険への加入は是非考えたいですね。

傷害保険は文字通り、ケガ(+それに起因する入院)に備えるための保険です。もちろん家庭内に限らず、屋外での転倒も補償されます。

傷害保険自体に馴染みがないためでしょうか、意外と知られていないことがあります。それは生命保険だと健康状態のチェックのため、医師の診断書や告知書は必須ですが、傷害保険では不要であること。ケガに備えるための保険だからですね。(代わりに「職業」といった、別の告知事項はあります。)

気になる保険料はというと、某損保のHPによると一番安いプランを選ぶと、毎月払いで560円! もっともそれでは補償が薄すぎるかもしれないので、毎月3000円くらい、つまり1日100円の予算なら、夫婦2人分のケガに対する備えが出来ます。最悪の事態になった場合には死亡保険金の給付もあるので、既契約の生命保険の死亡保険金の額を減らして、こちらに回しても良いでしょう。

傷害保険で注意しなければならないのは、定額での保険給付であること。大きなケガも小さなケガも入院1日あたりの給付額は同じです。(入院日数が長くなれば、その分給付の総額も増えますが、対象期間には上限がありますし、通院日数の合計にも上限があります。)

そしてもう1つ。加入年齢にも制限があり、例えば満69歳以下と設定されていたりします。これは保険会社、そして保険商品ごとに異なりますので、予め確認しておきましょう。中にはシニア向けに特化した商品もありますが、その分保険料の負担は大きくなります。

要介護となる方のきっかけは、事故によるケガに起因するものが意外と多いです。この場合、同居の家族や親族関係者に対して、経済的にも、肉体的にも、そして精神的にも過大な負担を強いることになるわけですが、傷害保険が文字通りの「転ばぬ先の杖」となって、少なくとも経済的な負担は軽くなります。また保険という後ろ盾があることで、積極的な行動にもつながります。これは車に乗る場合を想像すればわかることで、保険に入っていなければ乗る気になりませんよね。

最後に補償の対象になるのは、あくまでも偶発性の高い事故であることにご注意を。故意はもちろんのこと、本人の過失に因るところが大きいと給付は受けられません。