流行り廃りは世の常ですが、江戸時代からずっと続くブームがあります。勘の良い方はお気づきでしょうが、ずばり川柳です。時の権力者や世相を皮肉る愉しみは今も昔も変わらないようです。
さて半年以上前のことになりますが、相続川柳の募集とその発表がありました。応募総数は実に3227件! とかく相続というと遺族間の争いに当事者はもちろん、弁護士さん、税理士さんまで振り回される人間ドラマのイメージがあるためか、妙に民法に詳しくなったりするものですが、これからご紹介する川柳の入選作をみれば、そんなものよりもっと大切なものがあることに気がつくはずです。
では早速入選作品を五十音順にご紹介しましょう。
- 言えるかな 感謝の気持ち お互いに
- 兄弟の おもちゃ争奪 今遺産
- 税おさめ やっと静かに 父、偲ぶ
- 葬式後 次に会うのは 裁判所
- 相続に 後ろで嫁が 糸を引き
- 相続で 兄よりはしゃぐ 義理の姉
- そのうちに みな後回し 悔い残す
- たくさんの 円より縁を ありがとう
- どの子にも、 同じく分けたい、 親心
- 亡き空き家 売れない貸せない 壊せない
- 遺さずに 使ってほしい 子の願い
- 残すもの 何もないけど 「ありがとう」
- まるで画家 死んでからのが 人気者
- 木魚打つ 親族バトルの ゴング音
- 遺言書 心を足して 想続に
- 遺言を 毎年書く祖母 超元気
以上、16作品が入選しましたが、さすがにどれもレベルが高いですね。くすっと笑ってしまうもの、思わずひざを打つもの、バラエティに富んでいて十人十色の相続があるのだなと改めて感じました。ちなみに個人的には15番が上手いなあと思いましたが、皆さんはどれが一番印象に残りましたか?
この中から最優秀作品1つ、優秀作品5つが選ばれましたが、その結果は以下の「続きを読む」で。皆さんも予想してから読んでください。
最優秀作品:8番
優秀作品:2番、12番、13番、14番、15番