恵那市から長野方面へ向かって約1時間ほどの距離の場所に、阿智村というところがあります。人口は6500人ほどの小さな村ですが、昼神温泉という大看板があり、名古屋市からの湯治客をはじめ、多くの観光客を集めています。(これからの時期は名古屋圏の法人・団体の忘年会で賑わいます。ちなみにプロ野球の中日ドラゴンズの納会も毎年行われています。)
そんな阿智村ですが、昼神温泉以外に、もう1つ別の貌があります。それが「星が日本で一番きれいに見える場所」。
この看板、勝手に名乗ったわけではなく、ちゃんとした裏付け、しかも国のお墨付きがあるんです。それが環境省が数年前まで行っていた「全国星空継続観察」で、阿智村が参加した全国の自治体の中で最高点を取ったことによります。身近なところに日本一の星空があるというのは嬉しいですね。
最近では「日本一の星空」を核とした町おこしが活発に行われています。目玉はロープウェーでのナイトツアー。元々は紅葉を楽しむためのものだったようですが、天の川を肉眼で見えることもあって、ナイトツアーの人気も上々とのこと。
少し前のことですが、筆者の自宅の近くに別荘を建てられた方がいます。名古屋にお住いの方で週末のみ、こちらで過ごすのが目的でした。ではその目的は、というと、それが天体観測。結構立派な望遠鏡を設置され、見た目は小さな天文台でした。
当たり前の話ですが、その方にとっては観測場所はとても重要で、澄んだ空気はもちろんのこと、夜間の晴天時間、晴天日数、さらには湿度はどうかなどなど、いろいろな条件を考慮して選ばれました。
慣れとは怖いもので、田舎に住んでいると星空の美しさは気づきにくいものです。でも外部の方がその価値を気づかせてくれることで、地元の人間の間で機運が高まったりするもので、阿智村の例はその見本でしょう。
恵那市にもまだまだ地元の人間が気づかない観光資源が眠っています。