海外からの観光客の宿泊方法として、最近人気が高まっているのが民泊。要は個人の家(又は空き家)を一時的に宿泊施設として提供するやり方です。回転率が高いと、通常の賃貸よりも高い利回りを得られるので、投資目的で購入したワンルームマンションを、外国人観光客向けのゲストハウス(簡易宿泊施設≒民宿)にしているケースも増えています。中国からの爆買い需要で、なかなかホテルが取れないので、こうした活用法がさらに広がることでしょう。

ただし購入する前に最低限の下調べをしておきましょう。ワンルームマンションは建築基準法上の分類では「共同住宅」となります。規制の程度に差こそあれ、第一種低層住居専用地域から工業地域までOKです。不可なのは工業専用地域のみです。

一方でワンルームマンションを宿泊施設へと用途変更した場合、建物の用途も「ホテル・旅館」とみなされます。これが大丈夫な用途地域は第一種住居地域から準工業地域まで。つまり第一種・第二種低層住居専用地域、第一種・第二種中高層住居専用地域、工業地域の5つはダメなのです。投資をする前に「後で調べたら用途変更が出来なかった・・・」そんな失敗を犯さないようにして下さい。

もっとも中高層のワンルームマンションならまだそのリスクは低いです。問題は個人の一戸建て住宅を民泊施設にするケース。第一種・第二種低層住居専用地域、第一種・第二種中高層住居専用地域はもともと居住する人の暮らしを商業目的よりも優先するための地域。ホテルや旅館がダメなのはある意味で当然のことです。(例えば、団地内を循環するバスよりも観光バスの方が優先されたらどう思いますか?)

でも思わず購入したくなる空き家の中古住宅の供給が多いのもこの地域。静かな高級住宅街、そんな部分に目が眩んでしまわないようにしましょう。