開業には様々な形態があります。一般的には空き店舗・空き事務所の賃貸物件を借りて、その後で内装をするケースが多いでしょう。初期投資が比較的少なくて済みますので、まずはこの方法を検討するのが基本です。

しかし業態によってはそれが難しいこともあります。例えば来客用と従業員用で多くの駐車場を必要とするケース。これだと土地から探した方が良いですね。このような場合、以下の3つの方法が考えられます。

  1. 土地所有者、建物所有者・・・いずれも自分。
  2. 土地所有者・・・地主、建物所有者・・・自分。
  3. 土地所有者、建物所有者・・・いずれも地主。

1番はわかりやすいですね。金融機関から多くのお金を借りる場合、どうしてもこうなりやすいです。次に2番。これは地主さんから土地を借りて、その上に自分で建物を建てるケース。定期借地権なんかを利用します。土地の取得費分、初期コストは抑制できますが、その反面で金融機関からの融資はあまり期待できないので、ある程度の自己資金が必要です。

最後の3番目、これは地主さんに建物も建ててもらって、建物の賃料を毎月払うというやり方。借りる側にとってかなり虫のいい話に聞こえますが、条件次第では賃貸マンションを建設するよりも良い利回りを期待できます。

例えば借りる相手が医療法人だったら。開業後5年で移動するなんて可能性は無視できるレベルですね。つまり空室リスクが限りなくゼロに近いわけです。賃料の遅延・回収不能といったリスクも不特定多数の個人に貸すよりも、遥かに低いので、結果的に長期安定的な収入が期待できます。

このような手法をお医者さん向けに行う場合、業界ではドクターズレント方式とかレンタルクリニック方式といった呼称を使います。もし開業医さんの自宅も併設するなら、土地の固定資産税の軽減も一定の範囲で可能です。好立地の空き家の再生手段の1つとして頭に入れておきたいですね。