日本銀行ではお金にまつわる様々なデータを公表しています。「貸出先別貸出金」もその1つで、業種ごとに貸出残高が幾らあるかを知ることが出来ます。

Q:次の中で不動産業は?(日本銀行「貸出先別貸出金」より)

  1. 11兆4034億円(2015年3月末時点)⇒11兆3733億円(2016年3月末時点)
  2. 63兆7003億円(2015年3月末時点)⇒67兆6991億円(2016年3月末時点)
  3. 55兆3124億円(2015年3月末時点)⇒56兆4013億円(2016年3月末時点)
  4. 15兆1775億円(2015年3月末時点)⇒15兆2633億円(2016年3月末時点)

1番以外は全て残高が増えていますね。また残高も業種によって大きな開きがあるのもわかります。

では答え合わせと行きましょう。正解は2番です。ちなみに1番=建設業、3番=製造業、4番=小売業 です。

これだけで判断するのは早計ですが、金融機関からの貸出が増えていることは、それだけ成長力があるということ。地価がどんどん上昇していた時代、即ち土地と建物を担保に入れればお金をどんどん貸してもらえた時代ならいざしらず、都市圏の一部を除いて長期下落傾向にある現状では、担保だけでは難しいわけで、そう考えると不動産業への貸出が増えているのは喜ばしいことでしょうね。

ちなみに全業種の累計は2015年3月末時点で455兆1923億円⇒2016年3月末時点で468兆3956億円と約3%の伸び。その2倍を超える伸びをした不動産業はいま最も勢いのある業種の1つ。不良債権処理という重病に長期間苦しんだ過去があるので、どこかで歯止めはかかるでしょう。が、見方を変えれば、そんなトラウマを抱えている状況でも、融資が拡大しているということ。不動産業界は当事者が思っている以上に元気な業界のようです。