東西南北、4方向それぞれに面した4つの土地、一番高くて一番人気があるのは南道路で、一番に安くて一番人気がないのは北道路ですが、では東道路と西道路だとどちらが人気があるのかというと、これは東道路の方が上です。でもなぜ東道路が西道路よりも好まれるんでしょうかね?

一番大きな理由は朝日と西日の違いでしょう。最近はほとんどの家で東南側にLDKを設けています。朝の太陽を部屋の中に感じながら、気持ちの良い一日が始まる、その方が確かに良さそうです。

一方の西日。冬の西日が室内まで射し込むのは確かにありがたいですが、暖かさの反面で畳が焼けたりするのを防がなくてはならなかったりしますので、マイナス面の方が大きいということでしょう。

他にも理由は幾つかあります。例えば、岐阜県の西部には伊吹山があります。伊吹おろしは古事記で日本武尊を絶命に追いやった伝説があるくらい。そのため、あちらの地区では伊吹おろしを避けるため、そちらの方角には極力開口部を作らないようにしているほどです。

伊吹おろしの吹き降ろす地区に限らず、総じて冬の日本は大陸からの季節風、具体的には北西の方角から吹く風に晒されます。西道路の場合は、どうしても玄関を西側に作りたくなりますから、せっかく暖房をきかせていても、玄関を開けた瞬間に、風が室内に吹き込んで台無しになってしまいやすいです。

でも住宅の間取りを考えるときの自由度は南道路よりもずっと高いというメリットがあります。南道路の場合、南側に玄関を作って、1Fの北側に階段を配置して・・・、という具合に南道路のメリットを生かすための配置を優先するため、制約が多いのです。特に縦長の敷地の場合は、相当制約されます。

その点、西道路なら正方形、縦長、横長、それぞれのメリットを生かしやすいです。駐車場の配置、庭の配置、玄関の配置、南道路と西道路で接道方向以外全く同じ形状の土地でプランニングしてみてください。きっと西道路の意外なメリットに気が付きますよ。