「失われた10年」、ひところは毎日のように使われていましたが、最近ではすっかり死語となってしまいました。バブル崩壊とその後遺症による経済の低迷が完全に癒えたわけではないので、また使われ始めるかもしれませんね。
それを象徴するかのような意識の変化が公表されました。質問の内容が何なのか、皆さんちょっと考えてみてください。
【平成5年(1993年)】
- そう思う・・・61.8%
- どちらともいえない・・・11.4%
- わからない・・・5.6%
- そう思わない・・・21.3%
【平成27年(2015年)】
- そう思う・・・30.1%
- どちらともいえない・・・21.6%
- わからない・・・7.0%
- そう思わない・・・41.3%
20年あまりの間に随分と意識が変わりましたね。6割の人が肯定的だったのに半減してしまい、否定的な人が倍増しました。
では答えに参りましょう。質問の内容は「土地は預貯金などに比べて有利な資産か?」でした。都市圏の一部を除き、地価は長期右肩下がりなので、「地主さん」という言葉が、羨望や妬みの対象からだんだんと遠くなっているのは間違いないでしょう。
しかしそれでもやっぱり土地は土地のようで、相続による遺産分割による調停・審判といった事件の件数は、逆に年々増加傾向にあります。ちなみに遺産総額5千万円以下の案件が4分の3を占めているそうです。
さらにいうと、財産が「自宅と土地」のみの場合は、簡単に分割できないため、余計に遺産分割に関する問題が起きやすいのだとか。そんな事情で親族間で軋轢が生じた経験談がいろいろなメディアを通じて広がっているのでしょう。それが今回のアンケート結果にも影を落としていますね。