時代の変化は何も住宅・不動産業界に限ったことではありません。例えばタクシー業界で、ウーバーと呼ばれるサービスの利用者が増えています。

厳密にいうと、ウーバーはタクシーから派生したサービスではなく、よく似たサービスを提供する別物です。というのも、一般の人が自家用車を使って、送迎サービスを提供するから。俗に白タクと呼ばれるものと同じですね。

特徴的なのはスマートフォンからアプリをダウンロードし、クレジットカードで精算するところ。さらに運転手が5つ星で評価されたり、位置情報から現場への到着時刻も表示されるのも今風です。

サービスの発祥はやはりアメリカですが、人気を集めている理由に「若者の車離れ」があるとのこと。都市部で車を保有するのは経済的な負担が大きいですし、そもそもそんなに利用頻度が多いわけでもありません。公共交通機関の利用がしづらい、あるいは場所がわかりずらい、そんな時だけウーバーを利用すればよいので、非常に合理的です。

付け加えると、アメリカでは「免許を持たない若者」が増えているそうです。日本以上に車社会であるアメリカで、このような現象が起きているのはとても驚きます。

が、これも一昔前の「広い家に住み、大きな車を乗り回す」という価値観が色あせて見えるから。第二次大戦後のある時期には、世界のGDP全体の50%を超えていたこともあるアメリカも、今の若者たちが生まれるころには25%前後にまでその比率を下げていました。お金に対する価値観が違っていても納得です。

日本でも若者の住宅離れが進んでいるといわれています。また一部の地域を除いて価格の長期下落傾向に歯止めがかからない土地も、資産としての魅力が減って、取得意識が低くなっています。

そういう時代の流れを掴んだ新しいビジネスチャンス、ウーバーを見習ってみてはいかがでしょうか?