「信託」という言葉から皆さんは何を想像されるでしょうか? おそらく一番身近なのが「投資信託」、「信託銀行」といった金融用語でしょう。「信じて託す」、信託とは文字通りその意味なのですが、一般の人たちにとってはその中身はかなり敷居の高いもののように映っていますね。

が、これからの高齢社会を考えるとき、「信託」はそれによって発生する多くの問題の大半を解決してくれる素晴らしい仕組みですので、是非とも知っておいていただきたいと思います。

ではその仕組みに入る前に、具体的に何を解決できるのかを考察してみましょう。

  • 配偶者が認知症。自分に万一のことがあったら、その後が心配。(特に相続財産の管理)
  • 子供が障害者。自分に万一のことがあったら、・・・。

こうした悩みをお持ちの方は結構多いのではないでしょうか。「オレオレ詐欺」、「振り込め詐欺」といった被害は健常な高齢者でも多くの被害が出ています。せっかく築いた財産を騙し取られてはいけません。

そこで期待されるのがこの信託という制度。委託者(お願いする人)と受託者(お願いされる人)との間で契約を締結し、万一の事態が生じても信頼できる受託者が遺された家族や財産をしっかりと守ってくれます。

ちなみに信託には商事信託と民事信託の2種類がありますが、商事はいわゆる「業」、つまり営利の発生が原則です。受託者が信託報酬を貰える、大雑把にいえばそういう制度で、これを行うには国の免許が必要です。一方の民事はそれ以外、つまり家族間で設定したりするもので、こちらはもちろん免許は要りません。(信託報酬を貰っても法令に違反するわけではありません。)

ところでなぜ信託を設定すると財産の保護が期待できるのでしょうか?それは次回のブログでご紹介したいと思います。