最近の調査によれば、高齢者での自宅内事故発生場所は、1位:居室、2位:階段、3位:台所の順だそうです。滞在時間の長い居室が1位なのは仕方ないとして、移動するための空間である階段が2位というのは、高齢者にとっていかに階段が危険な場所かを物語っていますね。

前回はそんな階段での手すり設置の基本について触れましたが、実は階段で手すりの高さを決めるのにはもう1つ決して見落としてはいけないところがあります。皆さんは何だと思いますか?

それは高さの基準をどこで決めるかということ。皆さんは一瞬脳内が「!?」になったかもしれませんね。高さの基準を決める場所が床面(踏面)以外にあるのか、そう思われるのは当然です。

階段も当然床面(踏面)が基準です。ただし測る位置が段板(・・・踏面に使われている板のこと)の奥なのか手前なのか、それとも丁度中間点なのか、となると皆さんは即答できないのではないでしょうか。

この場合の正解ですが、段板の一番手前を基準にします。これはまず最初に降りるときの手すりの位置を考えれば納得できると思います。そして階段の最後の一段を降りるとき、つまり廊下部分の手すりへと連結する部分では階段1段分の幅で階段からの斜めのラインに沿って手すりを取り付けます。これも安全な昇り降りに必要な配慮です。

昔の家屋では直線的かつ急勾配、そして幅が狭いという三重苦を背負った階段が多いです。このようなケースでは手すりを設置する(幅が狭いと手すりを付けられないことも・・・)より、階段周りそのものを改修する方が良いこともよくあります。予算との兼ね合いもありますが、より大きな視点での改修を考えるようにしてください。