通常の賃貸物件では「高齢者入居」に対して、あまり肯定的な対応をされません。理由は幾つかありますが、やはり一番大きいのは「物件内での事故」でしょうか。事故というのは遠まわしな言い方で、要は「死亡されるリスク」のことです。特に独居老人の場合には、そのリスクを重く見られます。

私は以前「物件内で独居老人が自然死した中古住宅の売買」を依頼(亡くなられた方の娘さんから)されたことがあります。通常の5割くらいでようやく売却できました。発見されたのが死亡時から3日程度経過していた、そんな記憶がありますが、「たった3日」であってもそのくらいの価格差が生じてしまうのです。

若年層に貸しても自殺云々のリスクは常に付きまとうので、高齢者だけにノーを突きつけるのは理不尽ではありますが、仮に物件内で病死したとして、そのままスンナリと入居はなかなかいかないことには変わりありません。といって高齢者人口の増加は日本の人口構造からすればもはや抗うことの出来ない流れであり、何とかして受け皿を作っていきたいところです。

ということで数年前から「サービス付き高齢者向け住宅」という制度が始まりました。以前から「高齢者の入居を拒否しない賃貸住宅」の制度はありましたが、それをより実情に合わせてブラッシュアップしたものです。

https://www.satsuki-jutaku.jp/index.php によれば、恵那市で3施設97戸、中津川市で1施設60戸とまだまだ少ないですが、高齢者向け賃貸は今後確実にニーズの増える市場。土地活用の一環として検討してみてはいかがでしょうか?