高齢者世帯における資産は意外なくらい偏っています。一般的には「年金暮らしでお金持ち」というイメージかもしれませんが、その実、資産全体に占める金融資産の割合はせいぜい3割程度でしかありません。

では残りの7割はというと、そのほとんどが不動産です。これが資産全体の約6割を占め、残りが自動車等の動産類になります。例えば資産5千万円のうち、金融資産は1500万円で、住宅+建物といった不動産が3000万円という高いウェイトを占めているわけです。老後の生活においてどちらに重きをおいて活用するのが良いかは自明の理ですね。

ただし闇雲に活用しても上手くはいきません。自宅を売却して換金しても、高齢者のその後の生活に対するビジョンがなければ、意味がありません。とりあえず次に住む場所が必要ですから。有料老人ホームなのか、賃貸住宅住まいなのか、それとも中古住宅への買い換えか・・・。

住まい方によって必要な生活費は上下動します。年金以外、安定した固定収入のあてがない高齢者世帯にとっては、選択ミスは取り返しがつきません。だからこそ専門家の助言が重要な位置づけとなるわけです。今年は住宅資産活用元年と言えそうです。