今年度より、ある事業に国の予算が付くことになりました。察しの良い方はお気づきでしょうが、それが「高齢者の住宅資産活用(促進のための事業)」です。空き家対策としてペナルティが設けられる一方で、優良な資産については積極的に活用して不動産市場、とりわけ中古住宅市場を活発化する、そんな意図をまざまざと感じることができます。

とはいっても一朝一夕でそんな仕組みを構築することはできません。そこで第一段階として、「専門家の育成」がスタートすることになりました。まず発信する側を啓蒙して、徐々に受信側にその意識を浸透させようということでしょう。ところで皆さんはこのような問題を考えるとき、専門家といって思い浮かぶのはどんな職業の人ですか? 少なくとも宅地建物取引士でないことは確かです。

国としてはファイナンシャル・プランナー(以下「FP」)を有力な候補としています。家計のホームドクターともいうべきFPが先頭に立って、相談会やセミナーを行っていく、その動きを支援するのが国の役割ということです。