暗号のようなタイトルが気になりますよね。アルファベットが4つ続いて最後は漢字の孫ですから、手ごわそうに思えます。

種明かしをすると、答えは「ターン」に関する動きの推移。まず地方出身者が都心部から再び出身地に戻る「Uターン」がありました。次に見られるようになったのは「Iターン」。これは都心部の人が地方へと移住すること。実際には「ターン」じゃないですが、そこはそれ。

その後に増えたのは「Jターン」。これは地方出身者が都心部から移住する点では「Uターン」と共通しますが、元々の出身地ではなくその周辺の少し規模の大きいところに移住することです。(Uターンが恵那⇒東京⇒恵那なら、Jターンは恵那⇒東京⇒名古屋くらいの違いがあります。)これには都心部の企業に就職した後で地方の支店勤務を命じられて移住するケースなども含まれます。

さらに新しい動きが「Oターン」。「O」の時点で「ターン」と呼ぶのは憚られますが、「Iターン」同様にご容赦を。これは「Uターン」はしたけれど再び都心部へと回帰するケース。田舎暮らしには田舎暮らしなりの苦労がありますし、本人だけでなく家族が田舎の空気が合わないこともあるでしょうから、充分起きうること、仕方ありませんね。

と、このような動きの後に生まれた最新形が「孫ターン」。さてこの「孫ターン」、以下のどちらのことだと思いますか?

  1. 祖父母が孫の住むところへ移住する。
  2. 孫が祖父母の住むところへ移住する。

正解は2番。都心部に住む孫世代が地方に移住するのに、見知らぬ人ばかりの縁もゆかりもない土地ではなく、祖父母が暮らしているところ、或いは祖父母の出身地に移住することです。若い世代で地方移住を考えている場合、最大の障害の1つが働き場所の確保と言われていますが、祖父母の血縁関係や知人を通じて仕事をみつけやすいメリットがあります。

昔からよく言われている言葉に「子供が可愛くない親はいても、孫が可愛くない祖父母はいない」というのがあります。(実際はこんな堅苦しい言い回しはしませんが。)お孫さんが自分の近隣に住むようになって嬉しくないおじいちゃん、おばあちゃんはいないでしょう。中には祖父母が元気なうちはよいが、衰えてくると介護の負担が・・・と危惧する声もありますし、実際子育てと介護の板挟みは同居していても大変なので、それなりの覚悟が必要です。

人間である以上、老化は避けられません。しかしその速度を緩くすることは可能です。方法は幾つかありますが、最も効果のあるものの1つが「張り合い」です。孫たちとの交流時間が増えることは、生きがいや張り合いを持たせる上で非常に大きな役割を果たします。精神面だけではありません。肉体面でも外に出る愉しみがないと、自然と体を動かす時間が少なくなり、結果として廃用症候群、つまり身体機能の低下を招きやすくなります。「孫が遊びに来る」と思えば、心配をかけないようにしようと自ずと体にも気を遣うようになります。「孫ターン」が増えれば、恵那市全体が元気になりそうですね。