少子化の影響でしょうか、大学の淘汰が始まると噂されています。まずは受験生の確保からということで、スポーツ宣伝による受験生集めが非常に盛んです。特に箱根駅伝の効果は想像以上で、3連覇中の青山学院では実際に志願者が増加しています。
さて不動産業界における資格試験の代表といえば宅地建物取引士。今年の試験の志願者は前年度より5%程度増えました。不動産業界の景気が少なくとも悪くはない証拠です。
例えば昭和41年には約2万6000人だった申込者は右肩上がりで急上昇し、列島改造論が巻き起こった昭和47年には対前年比で40%超、翌年には約19万3000人に達しました。
が、翌昭和49年には対前年比でマイナス38%を記録。そうオイルショックの影響です。それからもまるで景気のバロメーターであるかのように申込者数は上下動していましたが、昭和61年からは再び右肩上がりの急上昇。今度は不動産バブルの影響です。ピークの平成2年には今も破られていない42万人超の申込者がありました。今年が約25万人ですから当時の不動産ブームの凄まじさが分かりますね。
さてその後は地価推移に連動するかのような右肩下がりもしくは微妙な増加の繰り返しで、平成13年には20万4000人とたった10年で半減してしまいました。そこから少しずつ受験者を増やして平成19年には26万人くらいまで回復。これは不動産ファンドいわゆるJ-REITブームによる影響でしょう。しかし翌年に発生したリーマンショック以降はまたマイナスに転じます。そして政権交代後に株価が大きく反転した平成26年以降は再びプラスになりました。
と、このように宅地建物取引士の受験者はリアルタイムでの不動産、あるいは景気の指標として非常に参考になるものです。地価公示価格以上に注目しないといけませんね。