住宅業界では「リビ充家族」という言葉が少しずつ広がっています。こういうものは都心部から広がっていくもので、恵那市のような地方都市で定着するのは2~3年後くらいでしょうか。
リビ充とは「リビングを充実させる」ことの略語。家づくりでリビングを軽視する人などいないでしょうが、もう少し補足すると「家にいる時間の大半を過ごすリビングを最大化して、家族がそれぞれそこで過ごす時間を充実させる」というライフスタイルです。
リビングを最大化する一方で、個室は極力省スペース化します。極端なケースでは主寝室と子供部屋を全て1つの空間にして、子供の成長に応じて仕切る、そんなケースもあります。壁やドアの設置によって犠牲になる空間をなくす、ある意味で非常に合理的な考えです。
恵那市のように広い土地の上に一戸建てを建てて暮らしている人が多い地域では、この考え方はあまり必要ないかもしれません。しかし分譲マンションのように原則として増改築ができず、利便性重視でその分広さが犠牲となっているような住まい方では、こうした考え方を積極的に取り入れる必要があるでしょう。
賃貸でも昔は2DKや3DKが主流でしたが、それが今ではそれぞれ1LDK、2LDKにとってかわられています。一世帯あたりの家族の人数の減少、家電製品の大型化など、いろいろな要因がありますが、ともかくこうした賃貸物件に居住した上で、分譲マンションを購入すると、賃貸物件居住中の「リビ充」的な暮らしを引き続き楽しめる方向になります。中古物件のリノベーションを前提としたマンション購入なら、なおさらでしょうね。
また部屋数を減らすメリットとして、単身者への賃貸物件としての可能性が視野に入ってきます。中・高所得者層の単身者ともなると、通常のワンルームマンションでは、とても暮らせないでしょうから、こうした高級賃貸物件のニーズは少なくありません。(企業が福利厚生と節税といった面から借り上げることも充分ありえます。)
ある調査によると、就寝時間以外の時間で、夫は73%、妻は約85%をリビングで過ごすそうです。「リビ充」が増えるのは、家庭内で発言力の強い誰かさんの意向が強く働いているから、とも言えそうですね。