少し前に発表された最新の家計調査年報によれば、高齢者夫婦無職世帯(夫:65歳以上、妻:60歳以上)の平均像は以下の通りでした。
- 実収入 :21万3379円(月額、以下同じ)
- 可処分所得:18万1537円
- 消費支出 :24万3864円
- 非消費支出: 3万1842円※税金や社会保険料
{実収入ー(消費支出+非消費支出)}を計算すると、▲6万2327円、つまりこの条件では、毎月これだけの赤字になってしまうわけです。仮に貯金が1000万円あっても、約160ヵ月、14年足らずで底をつきます。怖いですね。
ということで、老後資金を準備しておかないと、非常に大変なことになってしまいます。まして要介護状態になったときのことを考えると・・・。
ただし対策は極めてシンプル。収入を増やすか、支出を減らすかのどちらかです。といっても、食費をゼロにはできませんから、支出を減らすのは意外と限界が早いです。そこで支出を抑えつつも、収入を増やす方向で考えます。
収入を増やす手段として真っ先に思い浮かぶのは働くこと。若い時のようにはいきませんが、2人で週の半分くらい働けば、貯金を食いつぶし始める時期をどんどん先送りできます。
そして2つ目は資産を運用する、つまり不労所得を増やす道を探します。ただし今の金利では難しいので、預貯金で増やすのは事実上無理。そうなると、リスク覚悟で株式、債券、投資信託・・・といった金融商品での運用を考えなくてはいけません。ただしいきなりは厳しいので、現役世代から増やしておく努力が必要です。セミプロの不動産投資家が増えているのもよく分かります。
定年退職⇒年金受給開始は、現役世代に我慢していたことをやろうとか、夢を実現しようとしがちです。働きづめだった人ほど、その傾向が強いのは現役世代の反動でしょう。しかし、そこで浪費をしてしまうとその後に待っているのは寂しい人生。「金の切れ目が縁の切れ目」にならないよう、お金にはよりシビアな暮らしをしてください。これも立派な節約術です。