介護保険を利用する人の多くは、「病気・ケガ」⇒「入院・治療」⇒「リハビリ」⇒「退院」という流れを経た後に、サービスの提供を受けます。従って医療費の負担もバカになりません。今はお元気でも、ご両親が2人とも入院した時のことを考えるとゾッとする人も多いのでは? お子さんがまだ小さいと病気もかかりやすいので、ダブルあるいはトリプルで医療費・介護費用の負担が発生しますから。

しかし、その辺のことは国もよくわかっていて、過重な負担がかからないための制度を設けています。それが今回ご紹介する「高額医療・高額介護合算療養費制度」です。

簡単にいうと、1年間の健康保険と介護保険の自己負担の合計が一定以上に達した場合、超過分を後で支給してくれる制度です。例えば標準報酬月額が28万円~50万円の方の場合、基準額は67万円なので、自己負担の合計が100万円かかったら、その差額である33万円が後で戻ってきます。

ただしいかにも67万円はハードルが高そうで、自分は対象にはならないだろうと思われる方も多いでしょう。が、それは早合点です。というのも、自己負担の合計額には、自分はもちろんのこと、「世帯内の同一の医療保険の加入者」であれば合算の対象者と出来るからです!

仮にAさんの健康保険の被扶養者扱いになっている人が、親B、妻C、子D、子Eと全部で4人いたなら、合算対象者はA~Eの全部で5人。分母が増えればクリアしやすくなるのは自明の理なので、1年間でどのくらい負担したか、早速計算を始めましょう。

注意点としては、この場合の1年間は社会保険におけるものなので、前年の8月1日~今年の7月31日が計算対象となる期間です。暦年(1月1日~12月31日)や、年度区分ではないことにご留意下さい。

家族の多く、長期入院した親族や要介護認定を受けた親族がいる、そんな方は利用を考えてみましょう。