日本の人口が減少に転じたのはいつ?

答えは2005年。当時は大騒ぎでしたが、今となってはすっかり慣れてしまいました。その例が学校の統廃合で、恵那市でも旧恵那郡南の町村の小中学校をそれぞれ1つにするという話が具体化しつつあります。

が、その一方で人口がこのところ増加している町(東京や名古屋といった都市以外で)もあります。どこかご存知ですか?

それは北海道にあるニセコ町。観光地として少しは名前が知られていますが、どちらかといえば過疎化をたどっていてもおかしくない規模の町なのに、どこに秘密があるのでしょうか。

この地域で増えているのは、実は外国人。南半球のオーストラリアの人がスキーを楽しむ目的で訪れて、気に入って住むようになったのがきっかけです。こちらの冬はオーストラリアで夏にあたります。夏にスキーを楽しむために、時差がなく比較的訪れやすいので注目されたのです。

さらにニセコの雪質はパウダースノーといってスキーヤーにとっては天国のような場所なんだとか。それならこちらを本拠にしたくなりますよね。

そしてもう1つ忘れてはならないのが、ニセコの夏も素晴らしいということ。オーストラリアの冬に、夏を愉しめる場所としても彼らの心を惹きつけたのです。

外国人の移住者が少しずつ増えたことで、当然彼らを対象にしたサービスを提供する雇用が生まれます。例えばインターナショナルスクールで、少しくらい負担が大きくても移住者の子供たちが集まりますので、結果的により高い給与を求めて働きに来る人たちが自然と集まってくるのです。

スキー場などのリゾート施設や飲食店、英語がある程度できるなら、働き口は引手数多。さらにたとえ片言でも現地の移住者から直接レッスンを受けられるので、語学力を身につける場所としても人気です。

ニセコ町は最初から外国人移住者を呼び込むために特別なことをしたわけではありません。しかし最初は観光目的で訪れた人に移住を決意させるほどの魅力があり、そこから少しずつ輪が広がって現在の人口増加につながっているのです。私たちも自分たちで気づかないふるさとの魅力に将来救われるかもしれませんね。