住宅を取得する動機として、『上のお子様が小学校に上がる前に・・・』というのは大きな比重を占めています。『学校区を変えるのは可哀想』という理由はもちろんのこと、母親の心理として『家庭訪問があるのにアパート住まいは・・・』というのも大きいようです。他には、小学校に上がることでランドセル、教科書、ノート、机といった用具も必要になり、その置き場所として子供部屋を用意してという物理的な事情も加わっています。そして取得したマイホームには当然のように子供部屋が確保されていますが、実は子供部屋に対する考え方が日本(日本以外のアジア諸国も含みます)と欧米諸国では大きく異なるのをご存知でしょうか?
欧米では何と生まれた瞬間からもう個室があります。正確に言えば病院から帰宅した時点でなのですが、夜も子供と一緒に寝ることはないとのこと。(夜泣きをしようがほったらかしというわけではなく、都度子供部屋に行くようです。)日本人の常識からはかけ離れていますね。何せ保育園に通う年齢ですら、目を離したら周りから批判されるのですから。(その一方で海外からは「過保護」の批判を受けたりもしているのですが。)
欧米の考え方は、
- 自立心を養う。
- 片付けを自分でさせる。
という部分もありますが、それ以上に「子供部屋=子供の寝室」として位置づけています。あくまでも睡眠の空間であって、そこで何か(例えば読書やゲーム等)をするためのものではなく、何かをする場合はリビングなんかで家族と一緒に、そういう考え方なのです。
国際結婚では、子供部屋に対する考え方の違いが夫婦喧嘩の原因となることもよく耳にします。どちらが正しいのか、それは難しい問題なので永遠に決着しないでしょうが、子供の人格形成に少なからぬ影響を与えますので、家づくりの際には、広さや配置といった部分だけでなく、しっかりとしたビジョンに基づく子供のための空間づくりをするように心がけたいですね。