最近、とあるものを求めて海外から来日された方がTVで放映されていました。日本人ならその存在にあまり疑問を持たないものですが、何だと思いますか?

答えは砥石です。日本人にとっては包丁や鎌といった刃物を砥石で研ぐのは当たり前ですし日本が世界に誇る文化の1つである日本刀には専門の研ぎ師がいるくらいです。砥石がいかに日本人の生活、ひいては日本文化に欠かせぬ存在かわかりますね。

しかし海外ではそうではありません。そもそも良質な砥石が周りで採れません。日本からわざわざ輸入指定いるくらいです。

和食の注目度がかつてないほど高まり、寿司や天ぷらだけでなく、昆布やカツオ節、さらには味噌や醤油といったものにまで興味を持つ人が増えています。和食に興味を持つと、当然ながらその調理器具にも目が向きます。和包丁に興味を持ち、その手入れとして用いられる砥石も然り。インターネットの動画サイトで砥石の使い方を学べるともなれば、国境は関係ありませんね。

最近では家庭で包丁を研ぐ話はあまり聞きません。切れなくなったら新しいものを買えばいいとか、子供が真似をしてケガをしたらとか色んな理由があるでしょうが、こういう地味な文化こそ守っていってほしいものです。