「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」(山口素堂)、夏の始まりを告げる有名な俳句です。ここに登場する「ほととぎす」は、この時期に飛来してくる渡り鳥で、この鳥が山で鳴き始めると、夏の到来ということです。そういえば「夏は来ぬ」という歌にも「ほととぎす 早も来鳴きて~🎵 」という歌詞が登場しますね。昔の日本人にとって、ホトトギスのけたたましい鳴き声は、真夏のジリジリと照り付ける太陽のイメージとも重なっていたのでしょう。
この鳥は別の意味でもよく知られています。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、この3人の違いをよく表すものとして。実際は第三者による後日の創作なのですが、そう思わせないだけの不思議な力があります。
ホトトギスの口の中が真っ赤な鳥としても知られています。「泣いて血を吐くホトトギス」(・・・口の中が血まみれになっても鳴くのをやめない)と思われていました。かの正岡子規は、病魔に冒されて血を吐いたあと、自分の名前を「子規」にしました。「子規」もホトトギスを表す言葉の一つです。
ことほどさように「鳴く」と「ホトトギス」には切っても切れない関係にあります。何も知らないとただの騒音になってしまいますが、日本人ならそれを愉しむくらいになりたいですね。