「水道の民営化」ということが少し前に話題となりました。自治体任せにしてしまうと、①水需要の減少に対し、果断な対応ができない ②老朽した水道施設のメンテナンス費用が不十分 といった問題があるため、結果的に住民サービスの低下、ひいては嫌気がさした住民の移住に歯止めがかからず、人口減⇒税収減⇒投資減⇒人口減・・・の負のスパイラルが止まりません。そこで民営化によるコスト減、適正な水道料金の徴収で、これを解決しようとする試みです。

実は水道の民営化は幾つかの国で既に実行されています。フィリピンがその代表で、アメリカでも一部ですが導入されました。で、実際に上手くいっているのかというと・・・。

厳しいですが失敗は明らかです。事業性重視のため、不採算な地域へのサービスが著しく低下、また水質そのものの低下も見られています。水というライフラインの根幹を民営化、まして外国資本の傘下にしてしまうのは極めて危険な行為でしょうね。

少し前にある専門誌で全国1219自治体の「水道危険度」ランキングが掲載されていました。気になる恵那市は868位、ずいぶん低いようですが危険性の高い自治体ほど上位にランクされるので、健全度は比較的高めです。

ただしそれなりの代償も支払っています。ランキングに付随されているデータを見れば、恵那市の水道代は全国的にも高い方です。集落が点在している自治体の宿命として、敷設や維持管理は高コスト、それを高単価でカバーしているのです。

A.水道料金は安いが水質はあまりよくなく、維持管理にもあまり熱心でない。

B.水道料金は高いが水質はよく、維持管理も熱心。

どちらを選ぶかは皆さん次第です。