一部の都市を除いて、地価は長期下落傾向にあります。恵那市のような典型的な地方都市も例外ではありません。田舎特有の大らかさゆえでしょうか、境界でもめることはもともと少ないのですが、地価の下落でさらにこだわりは少なくなりました。これがバブル期あるいは最近の都心部となると、10cmの間口の違いでも奥行10mで、1㎡の面積の差。坪330万円の土地だと1㎡≒100万円ですから、お互いの欲がぶつかりあって大揉めになることも珍しくありません。地価の高い土地を持っている人はそれなりの苦労があるので大変です。

さて田舎には田舎なりの問題があります。小~中規模の分譲地に住宅を建てられる方が多く、その分境界線には問題はないのですが、その境界線上にフェンスを設置するとなると、どちらが負担するのか迷うことがよくあります。

ここからは最高裁の判例とかそういうレベルの話ではなく、あくまでも社会通念上の考え方になりますが、まず優先すべきは土地の高低差によるフェンス設置の判断です。この場合は土地が高い方の人が、低い方の人の土地へ土砂が流出しないようにブロック&フェンスを設置することになります。

では高低差がない場合はどうすべきでしょうか? 分譲地の場合は予め分譲業者が決めていることもあります。その場合は、そのルールに従うのが無難でしょう。でもそうでない場合は困りますね。①お隣の方と話をして費用折半で境界線上に設置する、②お互いに境界線ギリギリに設置する(フェンスは二重になる)、どちらも間違いではありませんが、②は見栄えの点で今一つですし、双方ともに使える土地がフェンス分だけ少なくなります。①が一番良さそうですが、これは当事者の人間関係に大きく左右されるという問題があります。例えば一方が中古住宅として第三者に転売することもあります。購入者が果たして維持管理を折半して負担してくれるのか不安です。また仮に転売することはなくても、双方の経済事情が修繕費や維持管理費の負担に対する考え方の違いを生むこともあります。

ということで、一方が境界線の内側に設置するのが良いでしょう。では肝心の「どちらが?」という問題ですが、「自分の土地の南側と東側に設置する」ことが一番無難な解決法です。なぜだと思いますか?

住宅の間取りは多くの場合南東側にリビングを配置しています。リビングはその家の家族が一番多くの時間を過ごす場所。当然窓越しに見える景色も一番多くなります。他人のフェンスより自分の好みに合ったものが望ましいのはいうまでもありません。アルミのフェンスより自然の生垣が好きな人が隣家のアルミフェンスをずっと見続けることになるというのもおかしな話ですから。

上述の通り、これはあくまでも議論の余地を許さない絶対無二の答えというわけではありません。様々な事情を考慮して異なるやりかたをしたからといって即間違いと断じることはできませんので。