少し前のことになりますが、大手宅配業者と大手通販サイトの間で配送料をめぐる値上げ問題が騒がれました。高齢化社会の進展に伴い、外出して買い物をするのが大変なこともあるでしょうし、過疎化に伴う売り上げ低下⇒閉店という側面もあります。そして何よりも自宅まで配達してもらえるという時間の短縮も大きいですね。広いお店を歩き回ってモノを選ぶ楽しさも捨てがたいですが、欲しいモノが決まっていれば時間の無駄とも言えますから。

ということで宅配業者さんの負担は増加の一途。加えてドライバー不足という事情も相まって、値上げとなりました。大手通販サイトはならばと個人ドライバーとの直接請負のような形式を導入しましたが、肉体労働の担い手はこれからますます減少するでしょうから、日本全体でこの問題を解決しないといけないでしょう。

とりあえず身近なところからだと宅配ボックスの設置でしょうか。配達先不在に伴う再配達負担は利用者の増加に比例して増えています。共働きの家庭などは特に悩ましい問題です。時間指定をしても、荷物が増えすぎてその時間に配達できないことも多いので。(そういえば昨年のクリスマスにプレゼントの時間指定配達の件数が多すぎて、結果間に合わずにちょっとした話題になりました。)

それを解決する手段が宅配ボックスで今や新築分譲マンションでの設置率は100%だとか。確かにニーズは高そうです。500戸の内16戸に荷物があるとして、在宅率50%だと1回目の配達で8戸分配達できず、2回目の配達で4戸、3回目の配達で2戸・・・という具合に4~5回もそのためだけに行かないといけなくなります。もちろん再配達時にも新規の荷物があるので、終わりがいつになっても見えません。これに時間指定の荷物が1つでもあればドライバーの負担がどれだけ増えるのか、想像するだけで背筋が寒くなります。

宅配ボックスの導入⇒再配達率の低下⇒環境への負荷軽減&荷物の早期受け取り⇒ドライバーの負荷軽減&配送料の値上げ抑制という具合に社会全体のコストを抑制する効果があります。ドライバーの負担が減れば、交通事故の起きる確率も減るでしょうし、めぐりめぐって車の保険料の値上げも抑制されることになるはずです。

工事費も含めて10万円程度は必要ですので、安い買い物ではありませんが、投資に見合うだけのリターンは充分にあります。ちなみにある自治体が町ぐるみでこの問題に取り組みました。気になる結果はコチラでどうぞ。