日本では、75歳以上の4人に1人が要支援・要介護の認定を受けています。いわゆる団塊の世代が75歳以上となる2025年には、日本全体の人口の4人に1人が75歳以上という人口構成になると言われており、若年層への負担は今以上に厳しくなるでしょう。

ご親族の方が要介護状態となると、介護者には①精神的、②肉体的、そして③経済的、の主に3つの負担が一気にかかりますが、このうち③については、ある程度まで軽くすることが可能です。今回はその中で「障害者控除」についてご紹介していきましょう。

「障害者控除」は、税務上の所得控除の1つ。所得控除の仲間には社会保険料控除や扶養控除があります。「要介護認定」を受けることと、「障害者認定」を受けることは原則として別物ですが、以下の条件に全てあてはまると「障害者控除対象者」としての認定を受けられるので、「障害者控除」を利用することが可能になります。(ちなみに大前提として「その年の12月31日時点」、というのがあります。)

  1. 障害手帳を持っていない。
  2. 65歳以上
  3. 要支援2~要介護5

この条件にあてはまる方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。市町村の窓口で所定の申請手続きを行い、「障害者控除対象者認定書」の交付を受ければ利用できます。

肝心の控除額ですが27万円。皆さんご存知の通り所得税は累進課税ですから、所得の多い人ほど、この控除を利用することで税負担が軽くなります。介護費用の自己負担割合が2割の人は、是非検討してみたいですね。

ちなみに障害者控除は他の所得控除と同様に、所得税だけでなく住民税でも使えます。また控除の対象者は本人だけでなく、控除対象配偶者や扶養親族となっている人でもOK! 上記の条件に当てはまるご親族を扶養扱いにしている現役世代も利用をぜひ検討したいですね。