この地域で暮らしていくには、車は大人1人につき1台必要と言っても過言ではありません。実際に統計書を見ると、恵那市の平均値は2.4台/世帯。車のない生活は考えられないですね。

が、都会ではそういうわけにもいきません。

  1. 公共交通機関が発達している。
  2. (土地が狭いので)駐車場が敷地内に確保できない。
  3. 駐車場代が高額。
  4. 青空駐車場は盗難や車上荒らしに遭いやすい。

こんな都会ならではの事情もあいまって、車のない家庭も珍しくありません。しかし車が足代わりに必要な時もあります。そこで少しずつ広がっているのがカーシェアリング。

おおまかにいうと、カーシェアリングを運営している会社に登録して会員となり、登録した会員同士で運営会社の提供する車を共有(=シェアリング)します。必要な時だけ使うので、経済性は抜群。車は取得費もバカになりませんし、所有期間中の維持管理費(駐車料金を含みます)も大きな負担です。週に1~2回程度の利用なら、そうした負担から解放される方を選びますね。(防犯の心配もなくなります。)

当初は試行錯誤もありましたが、最近ではビジネスモデルがスタンダード化され、会員カードを利用したポイント還元は当たり前。特筆すべきは次の利用者からの評価でポイントが増えること。つまり綺麗な状態と次の人が判断すれば、ポイント加算のボーナスが。

ネット上の「いいね」ボタンのようですが、これが意外と当事者の励みになって、利用回数を増やす動機付け(=次も「綺麗」の評価を貰うぞ!)になっているんだとか。

またカーシェアリングはレンタカーと異なり、いわゆる「満タン返し」というルールはありません。利用料金にガソリン代が含まれているからです。ではもしもの場合はどうするかというと、車内のクレジットカードで給油するのですが、この給油をしたこともポイントとして何らかのボーナスの対象となっているのです。いつかは誰かが給油しないといけないので、これはとても理にかなった制度ですね。

このような制度が広がっている点からしてもカーシェアリングの世界は市民の足としてかなり成熟していることが分かります。その手法にはいろいろと学ぶべきところがあり、異業種でも応用できそうです。