不動産とスポンジ

2018年8月3日

台所の必需品、スポンジ。どういう仕組みであんなに水を吸収するのか、子供の頃は不思議に思っていました。夏休みの自由研究がまだ決まっていないようなら、スポンジは面白いんじゃないでしょうか。同じ体積のスポンジでも、形状(直方体、三角柱、四角垂・・・)によって水の吸収量が変わるのか? あるいは同じ表面積でも形状によって水の吸収量が変わるのか? さらにいえば同じスポンジでも砂糖水と塩水で変わるのか??? 等々。

さて不動産の世界でもスポンジが登場するようになりました。正確には「スポンジ化」ですが、聞いたことありますか?

「都市のスポンジ化」という言葉を聞くと、都市部がスポンジ本体、そして水分が地方からの流入者、そんなイメージで思ってしまいますが、実際は「都市の内部において、空き地、空き家等の低未利用の空間が、小さな敷地単位で、時間的・空間的にランダム性をもって、相当程度の分量で発生する現象」だそうです。スポンジは多くの小さい穴の集合体、つまり多孔性のものなのですが、都市部本体で少しずつ小さな穴が出来ているということなのでしょう。

空き地や空き家という小さな穴は、都市の密度を低下させます。当然ですが、行政サービスは効率という面から大きく低下します。それが新たなスポンジ化を加速させるのですが、問題は社会資本の維持管理コストはあまり変わらないこと。100世帯の集落が半分空き家になって50世帯になったからといって、空き家のところだけ、上下水道管を除去することはできません。さらにいえば、その集落だけ水道料金を2倍にすることもできないでしょう。

これまでは都市化を促進する地域を行政が誘導してきました。それによってともすればバラバラになりやすい社会資本(道路、上下水道・・・)への投資を集中して行えるようになっていたわけですが、スポンジ化によってその反動がこれから起きることになると、非常に大きな問題です。都市のスポンジ化問題、早急な対策が必要でしょう。