中庭

2018年2月1日

恵那市のような地方都市では、広い土地の上に庭付き一戸建てというのが実現できます。地価の高い都心部の人から見ると羨ましいでしょうね。その分、地方は利便性等の面で、都心部の方を羨むことになりますが。

さて今日のテーマは中庭です。学校をはじめとする公共施設や寺院のような宗教施設ならいざ知らず、個人の住宅で中庭というのは通常なかなかありません。方形の土地に方形の家(多少の凹凸はありますが)を建て、道路に面した余剰スペースに駐車場を配置し、残った部分が結果として庭になる、そんなパターンが多いと思います。中庭というのは一風変わった人の趣味の世界というイメージではないでしょうか。

でもそれは少し偏った見方です。中庭のある家を「コートハウス」なんて呼んだりするように、一定の強い需要が存在するのです。例えば間口の狭い土地に家を建てる場合、特に昔の商店街みたいなところですね、三方は建物に囲まれていて、庭を楽しむ云々よりも縦長の土地でそもそも陽当たりが悪くて、暗くなりやすいという問題があります。天井にトップライトを設置したりするなどあの手この手を駆使することになりますが、もし中庭があったらどうでしょうか。どの部屋も一定の日照を確保でき、明るくなりますね。

またプレイべートな空間にしやすいのもメリットです。道路から丸見えだと幾ら明るくても落ち着かないものですが、中庭ならそんな心配もありません。さらに部屋の通気という面でもメリットがあります。両隣に建物が迫っている市街地では衛生面で通気の果たす役割が非常に大きいですが、中庭の有無がどれだけの違いをもたらすのか、一目瞭然ですね。小さいお子さんがいる家庭では中庭で遊ばせておくことができます。車を気にしなくていいし、そもそも各部屋から庭が丸見えなので、安心です。

一方でデメリットもそれなりに。まずは排水等の問題。降雨や降雪の処理は非常に気になるところで、この対策を怠ると後で大変なことになります。また当然ながら建築コストは上昇します。真四角に近ければ近いほど、建築コストは下がりやすくなりますから。建築後のメンテナンス費用も高くなりがちです。

そして開口部が多い分のマイナス面としての断熱性の低さ。概して外気と接触する窓が多いとその分断熱性は低くなりがちです。日照と通気を選ぶか、断熱性に重きを置くのか、これは悩みますね。

最後に生活動線の問題を挙げておきましょう。中庭がなければ直線距離で移動できる部屋を、回廊を通っていくことになり、時間がたくさんかかります。運動不足の現代人にはかえって良いことかもしれませんが、どちらかといえば否定的な方の方が多いでしょう。

中庭はどちらかといえば都市部向きの手法です。が、狭小間口の縦長土地は地方都市にも多く存在します。そういう土地に家を建築する場合は、一考の価値ありです。