2017年6月記事一覧

【フラット35】地域活性化型

2017.06.29

最近の人口動態を見ると、日本全体では漸減傾向の一方で、都心部、とりわけ東京への人口流入が目につきます。地方都市の人口を吸収しながら、肥大化する都心部、この構図は余程のことがない限り、ずっと続いていくのではないでしょうか。

流出元の地方都市もただ手を拱いているわけではありません。移住者・定住者を増やそうとあの手この手で頑張っています。そして今年からは住宅ローンの代名詞ともいえる「フラット35」で「地域活性化型」という制度が始まりました。いったいどんな制度なのでしょうか?

この制度を利用できるのは以下の2つの場合です。

  1. UIJターン
  2. コンパクトシティ形成
1番は何となく分かりますね。いわゆる地方への移住者が対象ということです。ただし対象の地方公共団体がこの事業への応募と審査に合格しないと受けられません。なお仮に合格した地方公共団体の場合、当初5年間の金利が▲0.25%です。(ちなみに対象外の地方公共団体から対象の地方公共団体への移住が条件です。同じ市町村内で住み替えても不可なのでご注意ください。)

そして2番。今、国は中心部への集約化を促進しています。遠く離れた場所に道路・水道・電気・ガスといったライフラインに係る社会資本を整備するのは勿体ないということです。つまり郊外の人家のまばらな集落から、中心部への移住が対象となります。

日本ではさまざまな「自由」が保障されています。しかしあまりにも「自由」を大切にすると、こうした問題が出てきてしまいます。一定の範囲内に居住できる人口を制限するのも「健康で文化的な生活」のためには必要ではないでしょうか。

 

賃貸だからこそ!

2017.06.26

最近は、特定のコンセプトにこだわった賃貸物件が増えてきています。恵那市のような地方都市では「大冒険」に思われる賃貸物件が中心部では大人気。すぐに流行するとは思えませんが、知っておいて損のない情報なのでその「大冒険」の内容をご紹介しましょう。

「子育て世代特化型賃貸物件」、この言葉から皆さんはどんな賃貸物件を想像されますか? この物件ではベビーカーの専用置場やベビーフェンスが最初から設けられています。さらには「ハイハイ」をするための専用スペースなどなど。

さらにキッズスペースも各戸に設けられています。キッズスペースというと、スーパーといった準公共スペースにあるものを想像してしまいますが、今や賃貸物件にまで広がってきているのです。

キッズスペースも単なる空間ではありません。小さな滑り台や落書き用の黒板など、より子育て世代のニーズを掴んだ提案がなされています。さらに共用スペースの一角に、入居者同士のふれあいの場としてのキッズスペースまで。公園デビューの予行演習にもなりますね。

賃貸物件の入居率を高める工夫は星の数ほどあります。物件の場所、広さ、その他様々な条件を考慮して、どんな入居者層をターゲットにするのかを考えなくてはなりません。「家賃の値下げ」はあくまでも最後の手段。その前に出来る対策を考えましょう。

 

安心R住宅

2017.06.22

昭和、とりわけ高度成長期~バブルの時代というのは、「大量生産・大量消費・大量廃棄」というのが主流の考え方でした。公害が社会問題化して以降は少しずつその考え方が否定され、環境配慮・リサイクルという今では当たり前の仕組みが導入されるようになりました。

住宅も同じです。もともと人口増・世帯増時代は粗製乱造のそしりを受けつつも、市場へ大量供給することが至上命題だったわけですが、本格的な人口減少時代を迎え、「空き家問題」が社会問題化しているのは、皆さんご存知の通りです。

ということで、政府も新築住宅に対する各種の優遇措置は継続しつつも、既存の住宅、つまり中古住宅の流通により重きを置くような政策にシフトしています。既存のストックの利用が広がれば、大量の空き家を再利用しようという動きが広がり、解体時に生じる産業廃棄物に対するコストも軽くなりますから。

そんな動きを象徴する制度が新しく誕生しました。それが「安心R住宅」。かいつまんで翻訳するなら「安心して購入できる中古住宅」のことです。

もともと不動産というのは目に見えない部分が非常に多いものです。土の下、外壁と内壁の間、床下・・・、全てを確認することは不可能で、そのリスクを含めて取引しているわけです。新築住宅に比べて人気が低い理由の1つです。

それを少しでも払拭できれば、というのが以下の条件をクリアした「安心R住宅」。

  • 新耐震基準同等の耐震性を有する
  • 建物状況調査の実施、構造上の不具合および雨漏りがない(広告段階で補修が完了している)
  • 購入者の求めに応じ既存住宅売買瑕疵保険を付保できる用意がなされている
また修繕・維持管理の履歴等の情報開示を購入者側から求めることができる、ともされています。

土地が右肩上がりで上昇していた時代は、建物の品質はそれほど重要視されていませんでした。建物の価値の減少速度を、土地の価値の上昇率が遥かに上回っていたからです。

今の空き家の多くは、そんな時代の落とし子でもあり、「修繕費が思いのほか大きくかかる」ため、修繕にお金をかけても、その分を売買価格に上乗せできないのが実状です。問題解決の出口はまだまだ遠いですね。

マイスター

2017.06.19

マイスターという言葉から、皆さんは何を連想されますか? 例えばソムリエのような「より専門性の高い技能を持つ人」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?

さて不動産業界にも「マイスター」と呼ばれる人たちがいます。それは「宅建マイスター」、認定しているのは(公財)不動産流通推進センターです。

不動産取引に携わる以上、「宅地建物取引士」の資格は必須ですが、この資格は5年に一度更新時期がやってきて、いわゆる法定講習を受講すればOK。再試験の必要はありません。車の免許と同じ仕組みですね。

が、法律とは日々変化するものですし、様々な社会制度もそう。10年前の知識が全く通用しないことも珍しくありません。

ということで、最新の知識に通じ、かつその知識や積み重ねた経験を元に、適切な判断が瞬時にできるか否か、という視点で「マイスター」にふさわしいかどうかが決められます。なかなか厳しい制度ですね。

スマートホンやタブレットといった携行可能な電子機器の普及で、ネットで検索した答えですべてが流れていく時代となっています。「宅建マイスター」もその点では、少々時代遅れなのかもしれません。

が、だからこそ瞬時に自信を持って判断できる能力は貴重です。今後はニーズが高まりそうですね。

配偶者控除、配偶者特別控除

2017.06.15

今年の税制改正で皆さんが一番関心のあるもの、それは配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しではないでしょうか。実際の見直しは来年からですが、これによって女性の働き方が変わるのは間違いないでしょう。

改正後~配偶者控除~

  • 納税者の合計所得金額が900万円以下・・・控除額38万円
  • 納税者の合計所得金額が900万円超950万円以下・・・控除額26万円
  • 納税者の合計所得金額が950万円超1000万円以下・・・控除額13万円
  • 納税者の合計所得金額が1000万円超・・・控除額ゼロ
この地域では控除額が減額となる人はそれほど多くないと思います。

改正後~配偶者特別控除~

こちらも納税者の合計所得金額による区分で控除額が異なります。1000万円超でなくなるのも同じです。

そしてこちらがより大きなポイントとなるのですが、配偶者自身の所得による要件が大きく変わります。改正前は38万円超76万円以下だったのが、38万円超123万円以下となりました。基礎控除の65万円を考慮すると給与所得者の場合、年収188万円(総支給額)までが配偶者特別控除の対象になります。結構大きいですね。

正社員か否かを問わず、働くお母さんたちの多くは、こういった控除を気にしながら働いています。配偶者特別控除の適用の可否はもちろんのこと、社会保険料や健康保険料を自己負担しなければならないかどうか、についてです。被扶養者を外れると、世帯全体の手取りの総額が減るのですから、由々しき問題です。

個人的には働けるときに働けるだけ働く方が自然だと思います。見えない壁を気にしながら綱渡りをしても、病気になって働くことが難しくなったときのことを考えると、健康な時に蓄えを作っておいた方が・・・と思うからです。

最近になって少しずつ海外に進出していた工場などが日本へ戻ってくるようになりました。賃金をはじめ、土地代金や建築費が日本より安いということで、進出していたわけですが、進出先の生活水準の向上により、そのメリットが少しずつ薄れてきているのです。そうなると、体で覚えた技術や経験の価値がものを言います。目先の小銭にこだわって、覚える機会を失わないようにしたいですね。

 

格差社会

2017.06.12

最近、格差社会を象徴するニュースを耳にしました。それは「地方金融機関からの資金流出」というものです。流出先は都心部の金融機関ですが、なぜこのような現象が起きているのでしょうか?

答えは相続。例えばこんなケースです。被相続人=地方で独居状態の親、相続人=都心部で生活する子供、これで相続が発生すると、地方の金融機関に預けてある親名義の預金が、都心部に住む子供たちの口座へと振り込まれます。仮に親名義の預金が1000万円だったとして、こんなケースが年間100件あれば流出額は10億円、10年で100億円にもなります。地方の金融機関にとって、これはとても深刻な問題です。

というのも、住宅ローンをはじめ、融資の源となっているのは、こうした預金の残高。預金量が多ければ多いほど、融資に対して積極的な行動がとりやすくなります。例えば、皆さんが誰かからお金を貸して欲しいと頼まれたとき、手元にあるお金が多いほど、貸しやすいですよね。(他人から預かっているお金ではありますが。)

ここ数年、空き家問題がクローズアップされています。問題の根っこは同じで、若い世代が中心部に職をもとめ、そこで暮らし始め、地方の実家を承継するものがいない、それを解決しないと、この預金流出問題を止めることは出来ないでしょう。しかし、それはとても難しい問題です。

最後にこの問題を大きさを具体的な数値で。家計金融資産は推計で約650兆円、うち約120兆円の資金が相続に伴い移動すると見込まれています。ちなみに首都圏では31兆円が純粋に増加すると見込まれています。

本物の生きている家

2017.06.08

「生きている家」、そう言われると家自体に生命力が宿っていて、人間と同じような存在を思い浮かべます。童話の世界ならありえる話ですが、実際に存在するとしたら、結構オカルトちっくですね。

が、世の中には本当に生きている家があります。びっくりするかもしれませんが、まぎれもなく生きている家なのです。しかもこれが日本にもあります!!!

さて、その正体はというと「ツリーハウス」と呼ばれるもの。簡単に言うと樹木の途中に家を築造したもので、鳥の巣箱の人間版のようなものです。古い世代の方には「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する家を思い浮かべていただければ結構です。

では、なぜこれが生きているのかといえば、生きている樹木を大黒柱や支柱代わりにして築造されているから。建築された後も当然成長は続きますから生きているといって言いですね。(もし死んでいたら腐朽してしまい、家を支えることができなくなります。)

世界には樹上生活をしている人たちがいます。その理由は様々ですが、ジャングルのようなところを例にとると、地上では外敵(例:敵対する部族、毒蛇、動物、害虫)から攻撃されやすい、湿度が高く不衛生、大雨のときにすぐ浸水する、といったデメリットが考えられます。樹上の方が確かに安心して眠れそうです。

それと比較すると、日本では積極的に採用するメリットがあまりないのですが、非日常的な空間を味わいたいという欲求を満たしてくれる選択肢となっています。テントを自分たちで張ってのキャンプも最初は楽しいですが、回を重ねるとつまらなくなってくるもの。絵本に出てくるようなツリーハウスで夏の一夜を過ごせば、子供たちも大喜びでしょう。探せばいろいろと出てきますので、興味を持たれた方は一度お調べください。

リフォームは誰のため?

2017.06.05

最近、リフォームの世界で大きな変化が生まれています。表題にもある通り「誰」のためにリフォームするのか、ということです。

もちろんそこで暮らす家族のためであることは今までと変わりません。問題はその「家族」の中に「愛犬」が加わるようになったこと。「愛犬家住宅」とか「愛犬住宅リフォーム」、そんな目的で家を新築したり、増改築、リフォームする人たちが増えているのです。

実際、そうしたニーズが強くなってきているので、大手ハウスメーカーや大手リフォーム会社が愛犬家のための専用サイトをそれぞれ設けています。そこには通常のリフォームでも参考になるような情報が幾つも紹介されています。リフォーム事例も多くのサイトで見ることが出来ますが、「犬の動線」という言葉が出てきたときには瞠目しました。

さらには「愛犬家住宅コーディネーター」という民間資格の取得者も増えています。その数は全国で4000人に迫る勢いとか。

昔は外の犬小屋で暮らしていたものですが、今は室内で同居するのが当たり前。家づくりが犬の目線で自然と進行するのも納得です。少子高齢化化、核家族化の進行で、高齢者夫婦世帯・高齢者単身世帯が増えて、少人数で暮らす寂しさを紛らすためにペットに救いを求めるケースは今後ますます増えるでしょう。愛犬住宅リフォームのニーズもまたしかりです。

現代の錬金術

2017.06.01

栃木県、岐阜県に住んでいる人にとっては縁の薄い場所です。普通に行くなら東京経由なのでしょうが、よほどのことでもない限り、東京で事足りますから、わざわざ行く必要もないですから。日光東照宮を訪れる、例えばそんな目的でもあれば別ですが。

そんな栃木県の県庁所在地である宇都宮市。この宇都宮市に錬金術師が現れたのをご存知でしょうか? 5年間で価値を3.5倍にしたのです。

始まりはとある不動産会社の方。その方は建築家としての顔も持っていたのですが、宇都宮市内の賑やかな場所に事務所を構えていました。でも手狭になってきたことに加えて、もっと静かな環境で仕事をしたいということで、同じ市内でも静かな、言い方を変えれば「あまり活気のない」商店街に事務所を移されました。当時の賃料は、2000円/坪だったとのこと。

そこからが錬金術で、活気のない商店街にやる気のある人たちを呼び込みました。するとお客様がどんどん集まるようになり、結果として街としての価値を上げることに成功しました。今では賃料が7000円/坪にまで上昇しました。

もちろんそこに至る過程には苦労がありました。一番大変だったのは「現状維持で良い」と考えている店主たちに「第三者に貸しても良い」と思わせることでした。特に最初に誘致に成功したカフェは、本当に大変だったようです。

全国の地方都市全般に見られる現象ですが、かつて人通りが絶えなかった駅前の商店街が次々とシャッター通りに変わっています。車社会になったこと、そして郊外の大規模な小売店に対する競争力の低下などなどが理由です。今回の再生事例がどんなところでも応用できるとは思いませんが、示唆に富んでいることは間違いありません。

今後、全国各地の商店街の人たちの間で宇都宮詣がしばらく流行しそうです。ちなみにその場所は「もみじ通り」と言います。このネーミングに惹かれて出店を決めた方もきっといるでしょうね。名前って本当に大切です。