2016年11月記事一覧

ビジネスホテルビジネス

2016.11.28

ここ数年で急速にみられるようになったものの1つに「都市圏でのビジネスホテルは予約が取れない」があります。外国人観光客の増加に伴い、稼働率が上昇しているためなのですが、その影響でホテル建設意欲が高まり、引いては地価の上昇にもつながっています。(その副次的な効果として、分譲マンション業界が少し苦戦しているとか。)

ではどのくらい稼働率が上昇したのか。5年前は東日本大震災の影響もあって、約62%だったのが、最近では74%ほどまで上昇しました。これが意味するものを少し考えてみましょう。

{条件}

  • 客室数=100室
  • 宿泊費=1万円
この分かりやすい条件で比較してみましょう。2011年は月間の売り上げが、100室×1万円×62%×30日=1860万円でした。これが最近では2220万円にまで上昇します。その差は360万円、年間では4320万円になります。

さらにそれに輪をかけるのが宿泊費の上昇で、この1年だけで15%くらい上昇しているとのこと。仮に5年前と比較して50%アップなら、売り上げは1.8倍にまで上昇します。

全国展開しているホテルなら、室数は桁違いなので、その恩恵は莫大。バブル同様にその反動が怖いのですが、いずれにしてもその動向には注意が必要ですね。

銀行と不動産業

2016.11.24

一般的に不動産業を営む場合は宅地建物取引業に該当するため、県あるいは国から免許を貰わないといけません。最低でも専任の宅地建物取引士を従業員5人に対して1人以上など、様々な厳しい基準をクリアする必要があり、営業するだけでも物心両面で相当多くの負担を強いられます。

その一方で、宅地建物取引業法では例外的に幾つかのケースにおいては免許不要で宅地建物取引業を大っぴらに出来ます。代表的なものとしては、

  • 国、地方公共団体
  • 信託銀行
があります。この地域では馴染みが薄いですが、銀行の中でも特殊な位置づけの信託銀行は堂々と不動産業が出来るのです。

が、この不動産業を一般の金融機関にも認めようという動きが出てきています。これは当の銀行自身からで、具体的には不動産仲介業をやりたい!ということです。

銀行業界には異業種から進出している例が幾つか見られます。逆に銀行も、投資信託の販売、保険の販売など、本来は証券会社や保険会社の業務を垣根を越えて、どんどん手掛けています。そういった意味ではある意味でお互いさまなのですが、不動産業界が銀行業へ進出する動きはほとんどないのに、なぜ銀行業界は不動産業への進出を目論んでいるのでしょうか?

この動きの背景には、銀行本来の収益の柱となるべき融資の分野で、不動産業の占める比率が少しずつ高くなっていることがあるようです。以下の数字をご覧下さい。

【金融機関(官・民)による不動産業への融資残高】
  • 2015年3月末:約81兆円
  • 2016年3月末:約86兆円
たった1年でこれだけのお金が流れ込めば、都心部における地価の上昇もうなずけます。その波に乗っかろうということで、例えば投資用の収益物件の購入について、融資だけで終わるのはもったいない、できれば仲介料で手数料も・・、そんな思惑のようです。

1棟1億円、個人向けの収益物件ではこんな情報が右から左にどんどん流れています。これをまとめた場合の手数料は一方からだけでマックス306万円(税抜き)。確かに魅力的ですね。

金融機関は不動産という担保を原資として、融資を行います。従ってどの業界よりも正確かつ迅速に融資の返済状況、家賃の入金状況を知ることができます。その圧倒的優位を生かされると、不動産業界は正直なところ勝負になりません。いずれは認可されるのでしょうが、そのXDAYがいつなのか、非常に気になります。

 

地域包括ケアシステム

2016.11.21

2025年というと、少し前は随分先の話に思えましたが、残り10年を切ると、さすがにそんな悠長な気持ちにはなれません。

2025年は団塊の世代が75歳以上になるとき、ということもあって、厚生労働省ではその時までに「住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築」の実現を目指しています。また、「人口が横ばいで75歳以上人口が急増する大都市部」、「75歳以上人口の増加は緩やかだが人口は減少する町村部」、それぞれの地域の特性にあったシステムの構築が必要とも言っています。

このシステムの構築、医療福祉業界だけの話ではありません。不動産業界でも積極的な参画が必要と言われています。なぜだと思われますか?

考えてみれば当たり前の話ですが、そもそもその高齢者の生活の起点となる住まいの話を無視してシステムの構築など出来ません。それは上にも書いてある通り。在宅、施設入所等、高齢者の住まいの選択肢はさまざまですが、その地域の特性を把握した上で、システム構築の方向性を決めていく必要があるわけです。

さらにもう一つ、時事的な問題との関係がシステムの構築と深く関わってくる、と言われ始めています。空き家対策がそれで、利便性の高い場所にある空き家を高齢者の住まいとして活用するのはどうか? といった意見が広がりを見せつつあります。

新たな施設を作るのではなく、既存のストックを有効活用し、さらに集団居住によって見守る側の負担を減らす、そんな事例が既に生まれています。広すぎる家に高齢者の1人住まいというのは、日常の清掃すらなかなか行き届かないでしょうし、衛生面はもちろんのこと、それ以外でも例えば防犯面など、心配の種は尽きません。

空き家問題は不動産業界で今一番ホットな話題の1つ。簡単にはいきませんが、このシステム構築が解決策の1つになればいいと思います。

東高西低?

2016.11.17

冬型の気圧配置といえば、おなじみの西高東低。そろそろテレビの気象情報で使われる頃ですね。ところで岐阜県内には東高西低のものがあるのですが、何だと思われますか?

答えは家賃相場。大手不動産検索サイトでは市町村ごとの家賃相場を見ることができますが、それを見る限り 中津川市>岐阜市、恵那市>大垣市だったりします。地価はもちろんその逆ですから、不思議なものですね。

しかし物の値段はやはり需要と供給の関係が重要。賃貸物件のストックが比較的古い時期から蓄積されてきたエリアと、最近になってようやく一定のストックが出来たエリアでは、築年数の浅い物件が多い分、後者の方が平均的な賃料は高めになりやすいです。こちらは供給サイドの話ですね。

そして需要サイドに目を向けると、やはりリニアの関係もあるのか、大型店の出店ラッシュが相次いでおり、それが雇用の創出や、利便性の向上に伴う人口吸引力をアップさせています。

地元に住んでいると家賃が高いのか安いのか見えにくいのですが、岐阜市から移住してくる人たちには「意外と高い」と思われているかもしれませんね。

人口が増えている町

2016.11.14

日本の人口が減少に転じたのはいつ?

答えは2005年。当時は大騒ぎでしたが、今となってはすっかり慣れてしまいました。その例が学校の統廃合で、恵那市でも旧恵那郡南の町村の小中学校をそれぞれ1つにするという話が具体化しつつあります。

が、その一方で人口がこのところ増加している町(東京や名古屋といった都市以外で)もあります。どこかご存知ですか?

それは北海道にあるニセコ町。観光地として少しは名前が知られていますが、どちらかといえば過疎化をたどっていてもおかしくない規模の町なのに、どこに秘密があるのでしょうか。

この地域で増えているのは、実は外国人。南半球のオーストラリアの人がスキーを楽しむ目的で訪れて、気に入って住むようになったのがきっかけです。こちらの冬はオーストラリアで夏にあたります。夏にスキーを楽しむために、時差がなく比較的訪れやすいので注目されたのです。

さらにニセコの雪質はパウダースノーといってスキーヤーにとっては天国のような場所なんだとか。それならこちらを本拠にしたくなりますよね。

そしてもう1つ忘れてはならないのが、ニセコの夏も素晴らしいということ。オーストラリアの冬に、夏を愉しめる場所としても彼らの心を惹きつけたのです。

外国人の移住者が少しずつ増えたことで、当然彼らを対象にしたサービスを提供する雇用が生まれます。例えばインターナショナルスクールで、少しくらい負担が大きくても移住者の子供たちが集まりますので、結果的により高い給与を求めて働きに来る人たちが自然と集まってくるのです。

スキー場などのリゾート施設や飲食店、英語がある程度できるなら、働き口は引手数多。さらにたとえ片言でも現地の移住者から直接レッスンを受けられるので、語学力を身につける場所としても人気です。

ニセコ町は最初から外国人移住者を呼び込むために特別なことをしたわけではありません。しかし最初は観光目的で訪れた人に移住を決意させるほどの魅力があり、そこから少しずつ輪が広がって現在の人口増加につながっているのです。私たちも自分たちで気づかないふるさとの魅力に将来救われるかもしれませんね。

 

 

中古住宅を購入すると・・・

2016.11.10

最近の政府は中古住宅の流通にかなり気合が入っています。既存ストックの有効活用、空き家対策など、様々な目的がありますが、いずれにしても様々な補助金や税制優遇で、バックアップしようとしています。

そしてさらに、先日ニュースになったのが、「購入時に最大で50万円の改修費補助!!」。対象は40歳未満の若年層とのことで、ターゲットがよく分かりますね。

せっかくなのでその他の補助金や税制優遇にも言及しておきましょう。(中古住宅を購入したときのものです。)

とまあ代表的なものだけでこれだけ。さらに改修費まで含めると、補助金や税制優遇措置は倍増以上。

もちろんタダで補助金が貰えるわけではありません。一定の基準をクリアして初めて、対象になります。補助金てんこ盛りでも悪くはありませんが、最終的に居住するのは自分自身。あとで住みにくくならないようにしましょう。

 

雨、雨、雨

2016.11.07

今年を振り返るのはまだ少し早い気もしますが、印象に残ったことを思い浮かべると、「雨がよく降ったなぁ」という記憶が頭をよぎりました。特に9月、まるで2度目の梅雨のような雨続きで、建築現場ではスケジュール調整に大わらわでした。

もともと恵那市の9月は雨の多い月です。平年でも月別降水量では第2位。(ちなみに1位は7月で、6月は3位です。)

が、今年は8月の方が7月や6月よりも降水量が多く、さらに9月はその上を行きました。さらにいうと8月とほぼ変わらなかったのが3月と5月。5月は本来なら一年で一番晴天の多い爽やかな季節ですから、それも「雨がよく降った」という記憶を強めている原因でしょう。

その影響はもちろん建築現場だけではありません。皆さんに身近な例では、太陽光発電の売電収入。自然にケンカを売っても仕方ありませんが、稼ぎ時に客足が伸びなかったお店みたいなものですし、取り返しがすぐにきかないのも痛いです。

来年は色々な意味で晴れが多いといいですね。

日本一の星空

2016.11.03

恵那市から長野方面へ向かって約1時間ほどの距離の場所に、阿智村というところがあります。人口は6500人ほどの小さな村ですが、昼神温泉という大看板があり、名古屋市からの湯治客をはじめ、多くの観光客を集めています。(これからの時期は名古屋圏の法人・団体の忘年会で賑わいます。ちなみにプロ野球の中日ドラゴンズの納会も毎年行われています。)

そんな阿智村ですが、昼神温泉以外に、もう1つ別の貌があります。それが「星が日本で一番きれいに見える場所」。

この看板、勝手に名乗ったわけではなく、ちゃんとした裏付け、しかも国のお墨付きがあるんです。それが環境省が数年前まで行っていた「全国星空継続観察」で、阿智村が参加した全国の自治体の中で最高点を取ったことによります。身近なところに日本一の星空があるというのは嬉しいですね。

最近では「日本一の星空」を核とした町おこしが活発に行われています。目玉はロープウェーでのナイトツアー。元々は紅葉を楽しむためのものだったようですが、天の川を肉眼で見えることもあって、ナイトツアーの人気も上々とのこと。

少し前のことですが、筆者の自宅の近くに別荘を建てられた方がいます。名古屋にお住いの方で週末のみ、こちらで過ごすのが目的でした。ではその目的は、というと、それが天体観測。結構立派な望遠鏡を設置され、見た目は小さな天文台でした。

当たり前の話ですが、その方にとっては観測場所はとても重要で、澄んだ空気はもちろんのこと、夜間の晴天時間、晴天日数、さらには湿度はどうかなどなど、いろいろな条件を考慮して選ばれました。

慣れとは怖いもので、田舎に住んでいると星空の美しさは気づきにくいものです。でも外部の方がその価値を気づかせてくれることで、地元の人間の間で機運が高まったりするもので、阿智村の例はその見本でしょう。

恵那市にもまだまだ地元の人間が気づかない観光資源が眠っています。