2016年6月記事一覧

宅建業法が改正されます~中古住宅とインスペクション~

2016.06.30

改正宅建業法が可決されました。この改正(施行時期は未定です)により、中古住宅の流通がより円滑になるものと期待されています。

ざっとその概要を列挙すると、

  1. 媒介契約締結時、建物状況調査(インスペクション)を実施する者のあっせんに関する事項を記載した書面を依頼者へ交付する。
  2. 買い主等に対して建物状況調査の結果の概要等を重要事項として説明する。
  3. 売買等の契約成立時に建物の状況について当事者の双方が確認した事項を記載した書面を交付する。
順を追って説明すると、媒介契約締結時ですが、これは中古住宅を売ってほしいと売主が宅建業者に依頼したときではなく、実際にその物件に購入の申し込みがあり、買主側が宅建業者と媒介契約を締結するときです。このときに購入しようとしている中古住宅について、専門家による診断の依頼をあっせんすることになるわけです。

その後、契約前に行う重要事項説明時に、結果の概要を説明し、さらに契約時に双方がその内容を確認した書類を交付する、こんな流れです。

肝心の「専門家による診断内容」についていうと、
  • 建物の基礎、外壁等に生じているひび割れ
  • 雨漏り等の劣化事象・不具合事象
について目視、あるいは計測器(水平器、クラックスケール等)によって診断します。

これにより、透明化が促進される一方で、『どうしてそんなことまでしなけれならないのか』と過大な負担のために二の足を踏む人や『それなら更地化して売ってしまおう』という人が増えるでしょう。

今回の改正には既存ストックの活用という狙いもありますが、意外と思い通りの成果が挙がらないような気がします。そもそも不動産業界というのは、面倒くさがりが多いですから、なるべく負担の少ない方向へ誘導したがるので・・・。

 

ご存知ですか、ミシンカフェ

2016.06.27

田舎で古民家カフェを開業したい、そんな話を聞いても全く違和感を覚えなくなりました。20年前なら「田舎のお客様も少ないところで開業するなんて!」と一蹴されていたところですが、もはや街中の喫茶店よりも集客力があるくらいで、時代の波をとらえることの大切さを改めて痛感します。

さてそんなカフェブームの中で、「ミシンカフェ(又はソーイングカフェ)」という業態が新たな潮流となっているのをご存知でしょうか?

これはそのまま素直に「カフェの中にミシンが置いてあって、そこでお茶を飲みながらミシンで縫製作業ができるというもの」だと思って下さい。ネットカフェでPCやゲーム機が置いてあるのと基本的な発想は同じ。でもそこにミシンを置くという発想は、非凡の極みといえるでしょう。

このことは家電製品の中で、ミシンに対する需要がそれほど高くなくなったことを意味しています。たとえあってもせいぜいベーシックなエントリーモデルで、中級以上のものは「それほど使わないからもったいない」と考えるでしょうから。

だからこそ、様々な機能が付いた業務用のミシンを、プロのアドバイスを受けながら「世界にたった一つだけのオリジナル」を作れる空間が大きな人気を集めるのでしょう。

ミシンはそれなりに音の出る機械で、子育て世代で共同住宅にお住まいの方などは使うのにも気を使わなければいけません。そんなストレスを解消してくれるところも人気の秘訣かもしれませんね。

 

猫と街づくり

2016.06.23

最近は「猫ブーム」なんだそうです。そういう世界に疎い人間には全く感じられないのですが、以下のような事実を知ると、それを認めざるを得ません。

  • 和歌山電鐡の「たま」駅長の経済効果は11億円!!(アベノミクスをもじった「ネコノミクス」という造語が生まれています。)
  • SNSのInstagram(≒写真版ツイッター) に付けられたハッシュタグ(・・・昨年の日本)では、猫がナンバーワン。
  • 「猫島(・・・道を歩けば猫に当たるような島)」をめぐる観光ツアーが大人気。
  • 日本初の猫付き賃貸マンションが誕生!(猫と同居することが、入居の条件)
さらに東京は台東区にある谷中というところは、誰が呼んだか「猫の聖地」なんだそうで、猫好きを呼び込んで街の活性化を図っています。

東京のように衛生面に厳しい場所では野良猫自体が忌み嫌われやすいので、自然と見かける機会も少なくなります。飼い猫には飼い猫なりの良さがありますが、自然の中で育った猫には及ばないところもあります。それは何かというと・・・

「懐かない」

これに尽きるでしょう。「思い通りにならないからこそ愛らしい」というのは、人間でいえば赤ちゃんみたいなもので、突然何の前触れもなく泣き出すのをあやす姿は、まさしく猫好きの人が猫に接するときの態度そのもの。

さてゆるキャラブームの火付け役といえば、「ひこにゃん」(滋賀県彦根市)ですが、これが猫であるのは皆さんご存じの通り、より正確にいうと「招き猫」をモチーフにしたものです。

そもそも招き猫の誕生には彦根藩主井伊家と不思議な縁がありました。それが巡り巡って現代でも多くの観光客を招いているのですから、その効果は計り知れません。猫で街づくり、成功するには「招き猫」の活用をお忘れなく。

 

民泊と固定資産税

2016.06.20

最近、少しずつメディアを通じて一般的な言葉になりつつある「民泊」。文字通り、「民家に宿泊する」ことで、ホテルや旅館といった業とは一線を画する宿泊方法です。

不特定多数の人が利用することを想定される建物は建築基準法でいうところの「特殊建築物」として厳しい規制を受けます。ホテルや旅館に宿泊すると避難経路について説明を受けますが、あれはまさに特殊建築物だからです。

しかし民泊の場合はどうでしょう。もともと個人住宅なので、そもそも避難経路という考え方はあまりありません。2階にいて1階で火災が発生したら、窓から飛び降りるしかない(階段を利用できない場合)、そんな建物です。

円安の影響もあってか、海外から来日する観光客が増加していますが、宿泊施設との需給関係は明らかに供給不足。そこでホテルに比べて比較的安価な民泊の輪が広がっているのですが、言語や慣習の問題を個人が背負うのは容易なことでもなく、各地でいろいろな問題も起きているようです。

さて元々は個人住宅なので、土地の固定資産税では住宅地の優遇措置を受けてきたわけですが、これを民泊にするとどうなるでしょうか?

確かに住宅であることには変わりありませんが、用途が明らかに事業用となれば話は別。各種の優遇措置を受けられなくなっても文句は言えません。程度の問題はありますが、安易なブームに飛びつくのは、民泊に限らずリスクが高いです。「生兵法は・・・」、やるなら本気でやりましょう。

親の近くで家を建てると~親元で暮らそまいか事業~

2016.06.16

恵那市では移住者・定住者を増やすため、今年度から新たな取り組みを始めました。それがタイトルでもご紹介している「親元で暮らそまいか事業」です。

かいつまんで言うと、親御さんの住まいの近くで子世帯の方が住宅を取得した場合に、1割の補助(最大50万円)が受けられるというもの。ちなみに同居でも適用の対象となります。(同居の場合に限って、新築だけでなく増改築でも対象になります。)

問題は「近く」の解釈ですが、「同一町内」と定められています。恵那市は「~~町」の範囲が結構広いので、この制度の恩恵に預かれるケースが多いのではないでしょうか。

最近はいったん都市部で働いていた若い世代が地元に回帰するケースが意外と増えています。恵那市と比べて地価が10倍するようなところで暮らす場合、給与が10倍になるかというと決してそうはなりません。住宅を取得する場合の相対的な割安感も手伝っての地元回帰なのでしょう。

せっかくの制度なので、上手く追い風に乗りたいですね。

 

照明器具あれこれ

2016.06.13

一昔前の賃貸住宅は、「借主が全て揃える」のが当たり前でした。「全て」の中身として代表的なものに、エアコンと照明器具があります。最近ではエアコン1台が標準ですし、照明器具が最初から付いている物件も随分と増えました。大家さんとしての負担は増えますが、厳しい市場競争に勝っていくためには、このくらいの投資は仕方のないことかもしれませんね。

通常、アパートに付いている照明器具は、リモコンでオンとオフを切り替えるシーリングタイプのものが主流です。昔の照明器具はひもが垂れ下がっていましたが、そういうものはもはやお洒落ではないということでしょう。家具(例:ダイニングテーブル)の配置にも気を使いますし、子供が勢いよく引っ張って切れてしまったりしますから。

当たり前の話ですが、誰しも自分がお金を出して購入したものは大切にします。他人(=大家さん)がお金を出した照明器具を大切にしてもらえるのか、不安に思われても不思議ではありません。最近では防汚コーティングタイプの照明器具も販売されているので、少し出費は増えますが、こうしたものを選んでおくほうが良いと思います。ただでさえ手の届かないところにあるので、普段から清掃してもらえる可能性はほぼゼロですから。

またキッチンの照明は油汚れも気になります。こちらは撥水・撥油のコーティングがしてあるものを選ぶといいでしょう。

 

 

その差、何と26%!

2016.06.09

一口で「6帖の和室」といっても、実際の広さは地域特性等によって異なるのをご存知ですか?

  • 江戸間(壁又は柱を含めて測る、畳のサイズは880mm×1760mm)
  • 中京間(壁又は柱の芯で測る、畳のサイズは910mm×1820mm)
  • 京間(壁又は柱は含まずに測る、畳のサイズは955mm×1910mm)
  • 団地間(測り方は江戸間に準じるが、建物の構造(重量鉄骨等)上、畳のサイズは850mm×1700mm)
と、まあこんな具合で京間と団地間では畳1枚の大きさが26%も変わります。かつて豊臣秀吉は「公平な税制」のため、全国でバラバラだった尺の長さを統一し、それに基づいて検地を行いましたが、このくらいの強い権力でもないと、畳の大きさを統一することは不可能でしょうね。

さて実は最近あるものが統一されようとしているのをご存知ですか? それはオフィス面積の国際測定基準です。厳密には統一ではなく、国際測定基準が日本語訳され、それを導入しようという動きが始まった程度なのですが、これまた各国でオフィス面積の測り方には差があって、こちらは最大で24%の開きがあるとのこと。

オフィスには様々な共用部分があります。エントランス、廊下、階段、エレベーターホール等々。これを含めるか否か、さらに含める場合は、どのように案分するのか、これにはそれぞれのお国柄が反映されています。それは日本の場合も同じです。

しかし、今や不動産取引は世界を相手にしなければなりません。多国籍企業が日本のオフィスを借りる、日本の企業も海外でオフィスを借りる、決して珍しいことではありませんが、そもそも募集している面積の考え方が違うと、それが安いか高いか適正な判断は困難です。

そんなわけで国際測定基準が導入されるのですが、これはオフィス以外の不動産にも波及する可能性は高く、例えば住宅の床面積の表示の仕方でも、小屋裏収納やバルコニーをどう扱うかが焦点となります。ひょっとすると畳のサイズも国際測定基準導入という黒船来航によって、統一されちゃうかもしれませんね。

 

 

新婚さん、応援します!~その2~

2016.06.06

恵那市では今年度より移住定住促進事業を一気に拡充させました。若年層の定住者を増やすことで、人口減少に少しでも歯止めをかけようという意気込みの表れです。

新婚おめで10事業もその一環で、これは婚姻すると「商品・サービスを10万円プレゼント」というもの。商品やサービスは地域振興も兼ねて恵那市内の対象店舗で利用可能という条件が付されるでしょうが、それでも何かと物入りな新婚世帯にはありがたいと思います。

最低限の条件として

  1. 平成28年4月1日~平成33年3月31日に婚姻。
  2. 夫婦の合計満年齢が婚姻時点で80歳以下。
  3. 恵那市民かつ夫婦(交付申請時)。
  4. 申請者、配偶者に恵那市の市税等の滞納がない。
  5. 3年以上恵那市に居住する意思がある。(交付申請時)
をクリアする必要があります。該当される方はご利用を前向きにご検討を。なお申請開始は平成28年10月1日からですので、まだ時間があります。

ちなみに「婚姻後半年以内」に申請しないといけませんので、期限切れにはくれぐれもご注意下さい。平成28年4~9月に申請された方の期限は今年度末です。

最後に「婚姻」について念のため、触れておくと「結婚式を挙げた日」ではありません。「役所に婚姻届を提出した日」が原則です。お役所相手に申請する以上、当たり前ですね。それに諸般の事情で結婚式を挙げない方もいらっしゃいますので。

 

新婚さん、応援します! ~その1~

2016.06.02

人口減少・流出は地方自治体にとって、共通の悩みです。企業誘致による雇用創出で人口が増えていたのは、20世紀までのこと。これからはひとひねりもふたひねりも工夫しないといけない時代となりました。

恵那市は田舎暮らしをサポートする仕組みを岐阜県でも比較的早くから取り組んできました。しかしそれだけでは人口の減少・流出に歯止めをかけることは難しいので、今年度からは更にパワーアップした施策を始めました。

その1つが「新婚おめで10事業」。一定の条件に該当された新婚の方に、10万円相当のお祝い品がプレゼントされます。プレゼントされるものは、恵那市ならではのもの、とのことで何が貰えるのか、非常に楽しみですね。

一定の条件とは、もちろん恵那市内に居住し、少なくとも3年以上継続して住む意思があること。

「孟母三遷の教え」の故事が教える通り、どんな場所に住むかは子供の人格形成少なからぬ影響を与えますし、大げさにいえば「人生を決める」ことも充分にありえます。

目先の10万円欲しさに住む場所を選択することもあるにはあるでしょうが、それよりも地元の人間としては、こうした取り組みに反応して恵那市に関心を持つきっかけになってくれれば、そんな風に思っています。